PCクラスタワークショップin 柏2025

日時 2025年6月27日(金)
会場

東京大学柏キャンパス 第2総合研究棟 3階 315室 会議室2

第2総合研究棟のキャンパス内での位置の関係で、国立がん研究センターバス停が最寄りとなります。

共催 東京大学情報基盤センター、筑波大学計算科学研究センター
開催形式 現地とZoomによるオンラインのハイブリッド型運営
現地定員 70名
※現地参加登録締切:6月20日(金)17時
参加費 無料(要参加登録)
懇親会 有料(参加費2,000円・要参加登録)
※懇親会申込締切:6月12日(木)17時

参加申し込みフォーム

開催趣旨:「HPCとAI」

2025年度のPCクラスタワークショップは、2025年1月に稼働を開始したスーパーコンピュータMiyabiの見学会を兼ねて東大柏キャンパスで行うことになりました。
「AI for Science」をコンセプトとするMiyabiの地で、HPCとAIに関連する幅広い発表を行います。東京大学地震研究所の藤田航平先生、東京大学情報基盤センターの華井雅俊先生からご講演いただき、夕刻には懇親会を予定しています。皆さまのご参加をお待ちしています。

プログラム

09:45

Zoom入場開始

10:00-10:10

開会挨拶

塙 敏博(PCCC会長/東京大学)

10:10-10:40

会員発表1

10:10-10:25

「JCAHPCスーパーコンピュータMiyabi-Gにおける東京大学情報基盤センターの取り組み」

塙 敏博(東京大学 情報基盤センター)

講演概要を開く

筑波大学と東京大学が共同運営するJCAHPCが2025年1月に稼働を開始した新スーパーコンピュータMiyabiはGPU・CPU一体型のNVIDIA社GH200モジュールを国内で最初に本格利用したMiyabi-Gを中心とするシステムである。本講演では、GH200における電力最適化の試み、AI for Scienceに向けた取り組み、さらに今後の様々なGPUアーキテクチャの展開を見据えて開発している、指示文ベースのGPUオフローディングを一元化するSolomonについて述べる。

10:25-10:40

「JCAHPCスーパーコンピュータMiyabi-Gのメモリ特性及び性能評価」

朴 泰祐(筑波大学 計算科学研究センター)

講演概要を開く

筑波大学と東京大学が共同運営するJCAHPCが2025年1月に稼働を開始した新スーパーコンピュータMiyabiはGPU・CPU一体型のNVIDIA社GH200モジュールを国内で最初に本格利用したMiyabi-Gを中心とするシステムである。本講演では、GH200の最大の特徴の一つである、GPUとCPUによるハードウェアレベルでの共有メモリの特性と性能について、ベンチマークと実アプリケーションを題材として評価する。

10:40-11:10

講演1

「計算・データ・学習・推論」融合と次期mdx I システムに向けた取り組み」

華井雅俊(東京大学 情報基盤センター)

概要を開く

本講演ではWisteria/BDEC-01、mdx I、Miyabiに続く、東京大学における次期高性能計算・データ基盤に向けた取り組みに関して紹介する。次期システムにおいて、Wisteria/BDEC-01で培われたコンセプト「計算・データ・学習」に加え、高性能クラウド基盤であるmdx I での取り組みを融合し、新たに「計算・データ・学習・推論」を構想する。また、「計算・データ・学習・推論」における、具体的なアプリケーションとして材料科学における取り組みを紹介する。

11:10-11:40

会員発表2

11:10-11:25

「RAG+生成AIによる富岳ユーザサポート」

中村宜文(理化学研究所 計算科学研究センター)

講演概要を開く

理化学研究所 計算科学研究センターでは、スーパーコンピュータ「富岳」のユーザ支援において、RAG(検索拡張生成)と生成AIを活用した新たなサポートシステムを導入しています。従来のFAQやマニュアルに頼ることなく、ユーザの質問に対して自然な対話形式で回答を提示します。サービス提供開始から約1年が経過し、チケット数や質問傾向の推移から見えてきた成果や今後の展望について紹介します。

11:25-11:40

「生成AIを活用した学術論文対話システムの取り組み事例のご紹介」

江盛容平(株式会社日立製作所)

講演概要を開く

昨今、大学・研究機関における研究活動のデジタル化が加速すると共に、国全体で研究成果の即時オープンアクセス化が推進されています。その中で日立は、生成AI環境やRAGの技術を活用し、大学がJAIRO CloudやGoogle Scholar上で蓄積している学術論文を要約し情報提供する、学術論文対話システムの導入を支援しました。本発表では、研究DXを支援する日立の取り組み概要に触れた上で、学術論文対話システムに関してご紹介します。

11:40-13:00 昼休み(コーヒーサービス)
13:00-15:15

会員発表3

13:00-13:15

「HPCと量子コンピュータで加速するシミュレーションの世界」

五味 学(SCSK株式会社)/松下雄一郎(株式会社Quemix)

講演概要を開く

近年、HPCと誤り耐性量子コンピュータ(FTQC)をハイブリッドさせたHPC-FTQCハイブリッドコンピュータが注目を集めており、量子化学計算、CAE計算、機械学習などの分野で新たな可能性を開いています。従来のHPC単独では実現できなかったシミュレーションが可能となり、次世代の計算科学の世界が広がると期待されております。講演では、我々が研究開発を進めるアルゴリズム研究の内容とその展望について紹介します。

13:15-13:30

「NECのHPCソリューションへの取り組み」

浅田洋祐(日本電気株式会社)

講演概要を開く

NECは近年、HPC・データマネジメントを総合的かつ高度に提供する研究情報基盤のご提案を進めています。お客様の用途に最適な高性能プラットフォームをご提案し、構築から運用・保守までトータルにご支援するHPCソリューションを国内外の最新事例とともにご紹介いたします。

13:30-13:45

「HPCとAIで加速するゼロエミッション材料開発」

實宝秀幸(富士通株式会社)

講演概要を開く

電池や触媒などの材料は生活に欠かせない存在であり、ゼロエミッション達成に向けた新材料開発が重要です。我々はHPCとAIを活用し、新材料開発を加速する技術を開発しています。本講演では、大規模長時間の分子動力学シミュレーションを実現するAIポテンシャル生成技術やデータから材料開発における重要な因果関係を発見する技術を紹介し、電解質材料や触媒開発への適用事例を通じてゼロエミッション材料開発への貢献を議論します。

13:45-14:00

「HPC/AI開発の常識を覆すインテルの最新テクノロジー」

髙藤良史(インテル株式会社)

講演概要を開く

インテルは「AI Everywhere」戦略のもと、HPCとAIデータセンターの効率を高め、次世代の計算能力を支える基盤を提供しています。最新のインテル® Xeon® 6 プロセッサーは、HPCやAIワークロードでの性能向上を実現します。また、インテル® Gaudi® 3 AI アクセラレーターは、パフォーマンスとコストのバランスに優れ、AIの民主化を推進します。これらの製品の注目ポイントをご紹介します。

14:00-14:15

「Advancing AI 2025: AMDのAI最新動向」

大原久樹(日本AMD株式会社)

講演概要を開く

6月12日に米国で開催される「Advancing AI 2025」での発表を中心にデータセンター向けGPUであるInstinctの最新ロードマップ、ROCmのソフトウェア対応状況についてご紹介いたします。

14:15-14:30

「AIおよびコンピューティングの最新トレンドについて」

愛甲浩史(エヌビディア合同会社)

講演概要を開く

AIはリーズニングへと進化し、フィジカルAIといった形で現実世界との融合も進んでいます。ここでは、昨今のAIにおけるトレンドからコンピューティングに関するNVIDIAの最新情報について、COMPUTEXでの発表などを含めてコンパクトにピックアップしてお届けいたします。

14:30-14:45

「AXEのカスタムLSI設計サービス、ROS2通信ハードウェアIP提供」

竹岡尚三(アックス株式会社)

講演概要を開く

AXEが取り組んでいるエッジAI用コアの紹介とRISC-VなどのオープンソースなCPUコアのカスタム設計サービス、ROS2通信ハードウェアIP の紹介

14:45-15:00

「OCIのHPCとAI」

松山 慎(日本オラクル株式会社)

講演概要を開く

Oracle Cloud Infrastructure (OCI) では、最新GPUを含むベアメタルコンピュートやデータセンタワイドにフラットな汎用TCP/IPネットワークと広帯域/低遅延RDMAネットワークによる高い処理能力と性能再現性をお約束するHPC&AI環境が簡単に安価にご利用頂けます。また、SINET接続ではクラウドとオンプレミスの間の転送データ量が "完全に無料" となります。本講演ではOCIのHPC&AI分野における特長を中心に紹介させて頂きます。

15:00-15:15

「ハイブリッドクラウドとマルチクラウド対応次世代AI HPCプラットフォームのコスト最適化プロビジョニング」

大川 剛(コアマイクロシステムズ株式会社)

講演概要を開く

HPCとAIの融合が進み、ハイブリッドおよびマルチクラウドのコンピュートリソースの爆発的な需要が求められる中、過剰プロビジョニングを防ぎスケーラブルで容易に並列コンピューティング環境をコントロールできるツールを紹介します。また、革新の広域AI HPCリソースのオーケストレーションを容易に実現するpNFSストレージと広域ネットワークの革新のHPC AI融合実現ソリューションも説明します。

15:15-15:30 休憩
15:30-16:00

講演2

「CPU-GPUの同時使用による波動シミュレーションの高速化・省エネルギー化」

藤田 航平(東京大学 地震研究所)

概要を開く

Miyabiに搭載されるGH200のように従来と比べてCPUとGPUが密に結合されている計算機が開発されてきており、CPUとGPUのより柔軟な利用が可能となると期待されている。本発表ではCPUの大容量メモリとGPUの高速計算能力を活用することで、CPUあるいはGPU単体を用いた従来手法と比べて波動シミュレーションを高速化・省エネルギー化するアルゴリズムと性能計測の例を紹介する。

16:00-16:30 Miyabiの概要、見学会への説明
16:30-16:35

閉会挨拶

萩原 孝(PCCC副会長/日本電気株式会社)

16:35-17:30 Miyabi 見学会
18:00-19:30