HPCオープンソースソフトウェア普及部会ワークショップ
「New FPGA era for HPC cluster」

主催 PCクラスタコンソーシアム HPCオープンソースソフトウェア普及部会
日時 2022年5月25日(水)13:00~17:20
開催形式 Zoomによるオンライン会議
参加費 無料(事前登録が必要です)
参加申込締切 参加登録の受付を終了しました。

開催趣旨

HPCの応用分野がAIを加え加速度的に多様化するなか、汎用CPUだけでは効率的に対応できない処理が増えてきています。汎用CPUを補う形でGPGPUがアクセラレータとして活用されていますが、GPGPUではできない現場でのハードウェア回路構成を変更できるカスタマイズ性を特徴にさらなる効率化を求めコンピューティング、ネットワーキング、メモリアクセスの高速化に向けてFPGA(Field Programable Array)を活用する研究が広がっています。
本ワークショップでは、データセンターHPC/AI向けのFPGA製品を提供するベンダーとそのユーザを招待し、FPGAの活用事例や将来展望、その利点や課題等に関して紹介します。皆様のコンピューティング課題にFPGAを検討いただくきっかけとなることを期待しています。

プログラム

13:00-13:10

開会挨拶

佐藤三久(HPC-OSS部会長・理化学研究所)

13:10-13:15 質疑についての説明
13:15-13:45

講演1

「これからのHPCシステムに向けた、インテル®FPGAの取り組み」

髙藤良史(インテル株式会社)

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ヘテロジニアス・コンピューティングの 1 つの選択肢として FPGA が注目されています。
FPGA はプログラマブルで強力なアクセラレーターであり、様々なワークロードを高速化することができます。さらにインテルはFPGAをHPC クラスターで活用いただくために、様々な取り組みを行っています。例として、インテル® オープン FPGA スタックにて、FPGA アクセラレーターのエコシステムを発展させ、インテル® oneAPI ツールキットにより、CPU、GPU、FPGAといった複数アーキテクチャーのコード開発を支援するための環境を整えています。
本セッションでは、このようなインテル® FPGAの最新技術動向に触れ、HPC分野へ向けた弊社の取り組みについて紹介します。

13:45-14:15

講演2

「FPGAs in High-Performance Computing -- from Data Acquisition to the Cloud」

Andrew Putnam (Principal Hardware Engineering Manager, Microsoft)

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FPGAs (Field Programmable Gate Arrays) have long played a role in scientific computing, particularly in front-end processing and triggering on high-rate input data. In the world of Cloud Computing, FPGAs have taken on new roles for data processing, networking processing, and achieve record-settings performance on AI and machine learning tasks such as image recognition and language translation. Could FPGAs also expand their role in physics into back-end processing - a domain previously dominated by standard CPU clusters? Could FPGAs even be the key to bridging the gap between Cloud computing and Supercomputing?
Microsoft's FPGA-based Catapult project has brought the power and performance of FPGA-based reconfigurable computing to hyperscale datacenters, accelerating major production cloud applications such as Bing web search and Microsoft Azure, and enabling a new generation of Real-Time AI, machine learning and artificial intelligence at extremely low latency.
This talk will be a discussion about ways in which FPGAs could provide higher-performance and more efficient processing of high-performance and scientific computing workloads, and how the lessons and libraries that we've built might help enable new generations of research all the way from acquisition through analysis. We also welcome feedback, and seek to understand more about what can be done to make the power of FPGA-enabled Cloud Computing more useful to the high-performance computing and AI communities.

14:15-14:45

講演3

「FPGA/ACAP 関連技術のHPC AIに向けた取り組みと展望」

堀江義弘(ザイリンクス株式会社)

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データ量の増大、データの種類の多様化、処理の複雑化、さらにはネットワークの高速化に伴い、さまざまな課題が顕在化している。従来のアプローチの延長のみで解決することは難しいこれらの課題を解消するためにFPGA/ACAPが利用されるユースケースが近年、着実に増えている。 本講演では、 FPGA/ACAP およびそれらを搭載したアクセラレータ カードのHPC AI分野への導入、その効果および実装性・運用性の向上を目指す最近の取り組みと将来展望について、いくつかの事例を交えながら紹介する。

14:45-14:55 休憩
14:55-15:25

講演4

「HPC・データセンター向けFPGAクラスタ拡張システム"ESSPER"の開発と今後の展望」

佐野 健太郎(理化学研究所)

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理化学研究所では、FPGAにより既存のスパコンやデータセンターを拡張可能とするFPGAクラスタシステム"ESSPER"を開発している。ESSPERでは、FPGAに独自のSoC (FPGA Shell)が用意されており、FPGA間の専用ネットワークを利用したカスタム計算回路を自由に実装できる。また、ソフトウェアブリッジ化したFPGAドライバ/APIにより、システムに遍在するFPGA資源をどこからでも遠隔で利用可能である。ユーザは、そのスキルやプログラミングの抽象度に応じて、HDLやHLS、DSLなどの様々な方法によりアプリケーションハードウェアやオーバレイアーキテクチャを実装することができる。本講演では、ESSPERそのものに加え、それを用いた研究開発事例や今後の展望について講演する。

15:25-15:55

講演5

「GPU・FPGA複合計算による次世代HPC/AI加速技術」

朴 泰祐(筑波大学計算科学研究センター)

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PCクラスタを中心とするGPUコンピューティングはHPCとAIの両分野における重要なシステム基盤となっている。しかし,特に複合系HPCシミュレーション等ではGPUだけの演算加速は不十分と考えられ,我々はGPUにFPGAを組み合わせた複合演算加速システムに注目している。本講演ではこの多重複合演算加速というコンセプト,システム実装,プログラミング,アプリケーションについて概要を述べ,最新の研究成果を報告する。

15:55-16:05 休憩
16:05-17:20

パネル討論

「FPGAクラスタによるHPC/AIの展望」

モデレータ: 朴 泰祐(筑波大学 計算科学研究センター)
パネリスト:
  • 佐野健太郎(理化学研究所)
  • 髙藤良史(インテル株式会社)
  • 竹岡尚三(株式会社アックス)
  • 堀江義弘(ザイリンクス株式会社)
  • 山口佳樹(筑波大学)
17:20

閉会