Arm HPCプラットフォーム・ワークショップ

主催 PCクラスタコンソーシアム HPCオープンソースソフトウェア普及部会
日時 2021年8月26日(木)13:00~17:40
開催形式 Zoomによるオンライン会議
参加費 無料
参加申込締切

2021年8月24日(火)正午

事前参加申込は締め切りました。

開催趣旨

コンピューティングに関して大きな変革が予想されるDX時代において、DeviceからCloud/HPCまで、Smart City、IoTやAutomotive等、HPC・AI技術を必要とするworkloadへの需要が益々拡大しています。

上記背景をベースに元々組み込み系機器やスマートフォン、IoT分野においてシェアの高かった、Armアーキテクチャ(命令セット)を活用したサービスやシステムが、PC等のクライアント市場、スーパーコンピュータ「富岳」に代表されるHPC分野、AWSやOracleなどが展開するCloud分野へも広がりを見せています。

本ワークショップでは、Armアーキテクチャを活用したサービスや製品をグローバル展開する先進企業やそのユーザを招待し、各ソリューションの紹介や展望、利点や課題等に関して紹介・パネルディスカッションを行います。今後のシステム構築に向けてのアイデアやサービス利用の一つの道標になることを期待しています。

プログラム

13:00~13:05

開会挨拶

佐藤三久(PCクラスタコンソーシアム会長/理化学研究所)

13:10~13:35

「Armv9が開く可能性」

Brent Gorda(Arm Inc. Senior HPC Executive)

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Armアーキテクチャは、用途特化型のプロセッシングを求める世界的な需要に応え、さらなる演算性能、セキュリティ、機械学習やDSP向けの優れた性能を提供します。本講演では、Arm HPCの最新動向、Armアーキテクチャの特長に加えArmv9が切り拓くコンピューティングの未来像について共有させていただきます。

13:35~14:00

「Amazon Web Services における Arm 活用」

宮本大輔(アマゾンウェブサービスジャパン)

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AWS では、2018年に Arm コアを採用した独自開発プロセッサである AWS Graviton、2020年に AWS Graviton2 を発表しており、仮想サーバサービスである Amazon EC2 に加え、データベースなど様々なサービスで利用が可能です。また、仮想サーバのタイプとして100 Gbps のネットワークを搭載したものも提供しており、一般的なウェブシステムだけでなく、HPC用途でも利用されています。本セッションでは、このようなAWS Graviton2の概要に加え、様々な活用事例についてもご紹介いたします。

14:00~14:25

「AWS Graviton2を用いた気象数値予報モデルの性能評価と運用HPCシステムのご紹介」

高橋一成(株式会社ウェザーニューズ 予報センター 開発チーム)

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株式会社ウェザーニューズでは、独自の気象数値予報モデル『OWN(Original Weather Numerator)』を開発し運用しています。2020年にはAWS Parallel Clusterを用いて運用システムをクラウドHPCにリリースし、27時間先まで10分間隔の雨雲予報を可能にしました。本セッションでは、AWS Graviton2を含むAmazon EC2を複数台用いたOWNの並列計算性能評価をご紹介します。また、天気予報を支えるミッションクリティカルな運用システムでありながら、大量の計算リソースを柔軟に確保するクラウドHPCの実行環境についてもお話します。

14:25~14:40 休憩
14:40~15:05

「スーパーコンピュータ「富岳」」

加瀬 将(富士通株式会社)

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スーパーコンピュータ「富岳」は、社会が抱える問題や科学技術分野の課題解決への貢献を目的に、理化学研究所と富士通が共同で開発・導入を行いました。「富岳」は、スーパーコンピュータのランキングであるTOP500、HPCG、Graph500、HPL-AIで同時に1位を獲得した史上初のスーパーコンピュータです。そのパワーの源は、富士通が開発したCPU「A64FX」にあります。A64FXは、Arm社のHPC用拡張命令セット「SVE」をサポートした世界初のCPUです。本講演では、「富岳」システムのハードウェアとソフトウェアの概要、実績について紹介します。

15:05~15:30

「組み込みから HPCまで Armコアで実現するエコシステム」

古家真之介(エヌビディア合同会社)

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以前からエヌビディアでは、ゲーム機から車載機までArm コアを搭載した幅広い製品を開発、販売している。また最近発表したデータセンター向けのNVIDIA Grace CPUや、セキュリティやストレージのためのソフトウェアデファインド、ハードウェアアクセラレーションデバイスの NVIDIA Blue Field DPUにも Armコアが搭載されている。本講演では、これらについてご紹介します。

15:30~15:55

「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)概要とA1インスタンスご紹介」

松山 慎(日本オラクル株式会社)

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Oracle Cloud Infrastructure(OCI)の概要とArm Ampere Altraを搭載したA1インスタンスを紹介させて頂きます。5/25よりOCI初となるArmアーキテクチャのAmpere Altraを搭載したA1インスタンスの提供を開始致しました。OCIは最新のCPU、GPUのベアメタルと仮想マシン、冗長・セキュアで安価なストレージサービス、それらを繋ぐフラットなネットワーク、低遅延でフラットなRDMA網などの提供に加えてSINET接続では転送データ量課金無料など、HPC用途におけるクラウドの弱点の多くを排除してます。

15:55~16:20

「Ampere Altraと各種HPC向けCPUとの性能比較」

大島聡史(名古屋大学)

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スーパーコンピュータ「富岳」や「不老」をはじめとしてARM系のHPC向けCPUを搭載した大規模システムが稼働し始めている。一方でデータセンタ・クラウド向けにAmpere Altraも利用が始まっている。スーパーコンピュータサービスを提供している情報基盤センターにとってはHPC向けのCPUこそが主な導入ターゲットではあるが、HPC向けかデータセンタ・クラウド向けかを問わず最新のCPUの性能には大きな興味を持っている。そこで、Ampere Altraの性能をA64FXなどいくつかのCPUと比較した結果を紹介する。

16:20~16:35 休憩
16:35~17:35

パネルディスカッション

「ArmベースプロセッサのHPCおよびサーバー戦略と期待」

モデレータ: 佐藤 三久(PCクラスタコンソーシアム/理研)
パネリスト:
  • 鯨岡俊則(アーム株式会社)
  • 宮本大輔(アマゾンウェブサービスジャパン)
  • 高橋一成(株式会社ウェザーニューズ)
  • 加瀬 将(富士通株式会社)
  • 古家真之介(エヌビディア合同会社)
  • 松山 慎(日本オラクル株式会社)
  • 大島聡史(名古屋大学)
17:35 閉会挨拶