はじめに


  1. ドキュメント中での取り決め
    このガイド中では以下の設定を用いています:

    server.pccluster.org
    これはクラスタデータベースサーバ、scoreboard(8) が動作しているホストを指します。

    pcc
    これは scoreboard(8) データベースで定義された、ホストのグループに与えられた名前を指します。グループの名前はデータベースコンフィギュレーションファイル /opt/score/etc/scorehosts.db 内で group=name の形の属性で定義されています。インストールガイドの scoreboard データベースのコンフィギュレーション で例が示されています。

    comp3.pccluster.org
    これは、デフォルトではクラスタの最後のホストになる SCore-D サーバの動作しているホストを指しています。

    また、例では bash(1) シェルが使われています。

  2. ログインシェルを設定する
  3. コンピュートホストロッククライアントの呼び出し
    コンピュートホストロッククライアント、msgb(1) は、クラスタの活動を見るための X Window プログラムです。このプログラムを以下のようにして実行します (プログラムを開始する前に、環境変数 DISPLAY が設定されていて X Window が表示できるようになっていることを確認してください):
    $ msgb -group pcc &
    
    [msgb のウィンドウイメージ] pccscoreboard データベースで定義してあるグループ名で置き換えてください。インストールガイドの scoreboard データベースをコンフィギュレーションする に例が示されています。

    msgb のウィンドウが X ターミナル上で左に示すように表示されます。各ボックスがホストを表し、ホストの占有状態を示しています。青い四角はそのホスト上でアプリケーションが動作していないことを示します。赤い四角は、ホストがユーザによってロックされているか、クラスタが複数ユーザ環境で動作していることを示します。ピンク色の四角は、SCOOP がデータを収集するために一時的にホストをロックしていることを示します。

  4. シングルユーザ環境での実行

    以下の例では各リモートコマンドの実行にクラスタホストを排他的に使用するため scout(1) を使用しています:

     1 $ scout -g pcc
     2 SCOUT: Spawn done.   
     3 SCOUT: session started
     4 $ scout
     5 [comp0-3]:
     6 SCOUT(3.1.0): Ready.
     7 $ ls
     8 index.html  start.html
     9 $ scout ls
    10 [comp0-3]:
    11 index.html
    12 start.html
    13 $ date
    14 Mon Nov  1 09:25:31 JST 1999
    15 $ scout date
    16 [comp0-3]:
    17 Mon Nov  1 09:25:34 JST 1999
    18 $ exit
    19 SCOUT: session done
    20 $
    
    scout は SCOUT セッションが最初に開始されたとき、およびセッションが終了するときにコンピュートホストロックサーバを使って全てのクラスタホストをロックします。各リモートコマンドの起動時にもロックされますが、7 行目にある最初の ls コマンドのようなローカルコマンドの起動時にはロックされません。SCOUT セッションは 1 行目で開始されています。-g オプションは scoreboard(8) で定義されているホストグループを指定するために使用されます。各クラスタホストでシェルが生成され、完了メッセージが 2 行目および 3 行目に出力されています。 この時点で SCOUT セッション内にいることになります。scout コマンドをオプションなしで実行するとクラスタホスト上の各 SCOUT シェルからステータスが得られます。scout は、7 行目および 13 行目のようにローカルマシンのシェルを呼び出すこともできます。前に scout がついたシェルコマンドは全てのクラスタホスト上で起動され、その出力が同じ場合には一つの結果だけを表示します。

  5. 複数ユーザ環境での実行

    クラスタが複数ユーザ環境用にコンフィギュレーションされている場合、環境変数 SCORE_OPTIONS を設定して、ユーザコマンドのスケジューリングを行う scored(8) デーモンプロセスと通信が行えるようにします。

    複数ユーザ環境で並列プログラムを実行するには、scrun(1) を使用しなければなりません。コマンドラインの SCore オプションを指定すれば、MPI プログラムを SCore 3.1 並列プログラミング環境の元で動かすこともできます:

    $ mpirun -np 4 -score scored=comp3.pccluster.org ./a.out
    

  6. プログラミング環境


PCCC logo PCクラスタコンソーシアム

CREDIT
This document is a part of the SCore cluster system software developed at PC Cluster Consortium, Japan. Copyright (C) 2003 PC Cluster Consortium.