SCOUT(1)
USER COMMANDS
SCOUT(1)
名称
scout - SCore リモートシェル実行環境

書式
scout [-g scoreboard-group] [-f first-hostname] [-n number-of-hosts] [-F hostfile] [-x exclude-hostname] [-wait] [-e|-re command [args ...]]

scout [command [args ...]]

scout -v

解説
scout はクラスタ上でリモートシェル環境を提供します。最初に、 scout-g オプションつきで呼び出し、リモートシェル 環境を構成するホストグループを指定する必要があります。scout は Unix の rsh(1) コマンドを用いてリモートプロセスを起動する ため、全てのリモートホストで rsh(1) が実行できるようになって いる必要があります。

scout の標準入力がターミナルである場合、scout はシェ ルプロセスを起動します。Unix コマンドを引数とした(-g オプショ ンのついていない) scout コマンドは、その Unix コマンドを全て のホストで SIMD 風に起動します。ローカルのシェルを終了すると、 scout も終了します。 scout 環境の作成中、各 Unix コマンドの起 動中、および scout 環境の終了中は msgbserv(8) を介して全てのリ モートホストがロックされます。

scout の標準入力がターミナルでない場合、scout が入力 を読み取り、これらの入力コマンドを scout の環境でシェルに与えます。 この処理は end-of-file に達するまで続き、その後 scout は終了 します。この間、リモートホストは msgbserv(8) を介してロックさ れています。

リモートシェルからの出力は近隣のノードの出力と比較され、同じ内容である 場合にはマージされ、scout が起動されたノードの標準出力に送ら れます。リモートシェル毎に出力を区別するため、ホスト名がセパレータとし て太字で表示されます。出力の比較はバッファサイズより小さい場合にのみ行 われます(現在のバッファサイズは 4Kbyte です)。出力がバッファサイズより 大きかった場合には比較が行われず、アスタリスク(*)のついたホスト名が各 ホストからの出力のセパレータとして表示されます。アスタリスク(*)のつい ていない単一のホスト名がセパレータとして表示された場合は、比較結果が異 なっていたことを意味します。出力が同じだった場合には、それらのホスト名 がまとめて表示されます。

リモートシェルの標準出力(STDOUT)および標準エラー出力(STDERR)はマージさ れてしまうため、ローカル側の出力ではこれらを区別する方法はありません。 リモートコマンドへの標準入力はサポートされていません。

リモートシェルプロセスは scout コマンドによってリモートコマン ドが起動されるたびに起動されます。リモートプロセスは scout 環境が終了 するまで全てのリモートホストに残っています。

ローカルシェルが、コマンドライン中のワイルドカードを含むファイル名を、 ローカルのファイルシステムに合わせて展開することに注意しなければなりま せん。このため、scout コマンド中でワイルドカードを用いると予期せぬ結果 を生じる可能性があります。これを避けるため、リモートホストで起動される コマンドとその引数は引用符で囲ってください。引用符で囲ってあれば、パイ プ(|)で繋がれた、あるいはセミコロン(;)で続けられた複数の Unix コマンド をリモートホストで実行することもできます。

全ての環境変数がリモートコマンドの起動時にコピーされます。したがって、 環境変数の設定値はリモートコマンドの実行においても有効になります。

scout では以下のオプションが利用できます:

-g scoreboard-group
リモートコマンドを実行するホストグループを指定します。 scoreboard-groupscoreboard(8) が使用するコ ンフィギュレーションファイル scorehosts.db 中で定義されている 必要があります。クラスタデータベースサーバにアクセスするためにシェル環 境変数 SCBDSERV が設定されていなければなりません。

-F hostfile
このオプションが指定されていた場合、scout は MessagBoard のロックが成功するまで待つ。

scout がコマンド引数なしに呼び出された場合は、scout は現在の環境が scout 内のものか否かをチェックします。

環境変数
SCBDSERV
-g オプション使用時にはクラスタデータベースサーバにアクセスするために SCBDSERV オプションを設定する必要があります。
SCOUTPWD
この環境変数が設定されている場合、リモートコマンドはこの環境変数で指定されているディレクトリ内で実行されます。
SCOUTPATH
この環境変数が設定されている場合、リモートコマンドの実行ファイルはこのパスを使って検索されます。
SHELL
対話モード(すなわち、ターミナルが標準入力の場合)、scout はローカルおよびリモートシェルにこの変数の値を使ってコマンドを実行します。

ファイル
(INSTALL_DIR)/etc/scorehosts.db
クラスタデータベースコンフィギュレーションファイル

注意事項
scout 環境中で Unix コマンド su(1) でユーザ ID を変更してもリモートコマンドの実行には反映されません。

関連項目
scorehosts.db(5), scoreboard(8), scrun(1)

CREDIT
This document is a part of the SCore cluster system software developed at PC Cluster Consortium, Japan. Copyright (C) 2003 PC Cluster Consortium.