レコードは改行文字(\n)で終わります。レコード名は最初の空白で区切られたトークンで、後に一つ以上の属性と値のペアが続きます。各属性の名前と値のペアは、空白もしくはタブで区切られます。属性名のすぐ後のイコール記号(=)は、属性名と値のトークンを分割しています。値のリストはコンマ(,)で区切られます。レコード名、属性名、および値に空白を含む方法はありません。

レコードの例は次のようになります:

a b=1,2,3 c=true

値にはファイルへのパスをとることも可能です。次のようなレコードがあるとします:

dwarf bibfile=/home/dwarf/bibliography.txt

データベースファイルが scoreboard プログラムに解析されるとき、データベースファイルはまず UNIX プログラム cpp(1) でプリプロセスされます。従って、ユーザはデータベース内で、他の任意のデータベースファイルを(#include を用いて)含ませたり、任意のマクロを(#define を用いて)定義することができます。 INSTALL_DIR は定義済みシンボルであり、scoreboard のインストールされたのと同じディレクトリに設定されます。実際の位置についてはシステム管理者に確認して下さい。すべてのかっこ("(" および ")") は無視されますが、釣合いのとれていないかっこは警告されます。通常かっこはマクロを他のシンボルと区切るために使用されます。例えば、

troll datafile=(INSTALL_DIR)/troll.txt

* SCore クラスタシステムソフトウェアが使用する属性

クラスタデータベースファイルは SCore プログラムが必要とする全てのクラスタコンフィギュレーション情報を保持していなければなりません。レコードには、ホストレコードとネットワークレコードの二つがなければなりません。

• ホストレコード

  ホストレコードのレコード名はホストのホスト名(UNIX コマンド hostname(1) で得られるもの)と正確に同じ名前でなければなりません。ホストレコードの順番はグループ内のノード番号の順番に影響します。データベースファイルの最初からみて、ホストグループの最初のホストはノード番号ゼロ(0)を持ちます。

  必要な属性はどの SCore プログラムを実行させるかによります。

  プログラム名	属性名
  msgbserv	group msgbserv
  scout	group msgbserv [spare]
  scrun	network cpugen speed smp
  scored	network cpugen speed smp [watchfs]

  属性は以下のようになっています:

  group

  ホストの集合を指定し、それに名前を設定します。各ホストは複数のホストグループに含めることができます。

  msgbserv

  ホストが占有されるときにロックし、終わったらアンロックするために、コンピュートホストロックサーバのホスト名(およびポート番号)を指定します。ホスト名は hostname コマンドの出力する名前と正確に同じでなければなりません。 ポート番号は偶数でなければなりません。

  spare

  欠陥として指定された場合、代替として用いるホスト名（のリスト） を指定します。代替として指定されたホストは対応するホストの記述 が scorehosts.db ファイルに記述してある必要があり ますが、代替ホストには group 属性を記述してはいけ ません。また代替するホストと同じ msgbserv を指定 する必要があります。

  network

  PM デバイスをコンフィグするためにネットワークレコード名を指定します。このレコードの名前は scrun コマンドで指定されます。(このマニュアルのネットワークレコードの節を参照してください)

  cpugen

  SCore ユーザがプログラムを実行する際に特定のプロセッサタイプを選択できるよう、プロセッサ(CPU)の世代を記述します。

  speed

  SCore ユーザが特定のプロセッサ速度を選択できるよう、プロセッサの速度を記述します。この値には数値を記述しなければなりません。普通、この番号はプロセッサのクロックスピード(MHz)を記述します。

  smp

  ホストに搭載されているプロセッサの数です。この値は数値で記述する必要があります。一つのプロセッサのみの場合、smp=1 を設定しなければなりません。

  watchfs

  SCore-D がディスクの使用量を監視すべきファイルシステムに存在す るディレクトリ名のリスト。このオプションは指定しなくても良い。

• ネットワークレコード

  各ネットワークレコードは一つの属性、type を持つ必要があります。type 属性の値は PM デバイス名と同じでなければなりません(例えば type=myrinet)。ネットワークレコードの順序は任意です。その他の全ての属性はデバイスごとに異なります。このレコードの名前は scrun コマンドで指定されます。

  PM デバイス	属性
  myrinet	-firmware:file -config:file
  ethernet	-config:file
  shmem	-node
  agent	-unit -agent -config:file

  属性は以下のようになっています:

  -firmware:file

  Myrinet LANai のファームウェアファイルを指定します(絶対パス)

  -agent

  PM/Agent で、エージェントのコマンド名を指定します ("deploy" ディレクトリからの相対パス)

  -config:file

  ネットワークルーティング情報ファイルを指定します(絶対パス)

  -node

  ノード番号を他のデバイスと区別するために指定します

  -unit

  ネットワークデバイスのユニット番号を指定します。

  PM/Agent では、この属性は省略可能です。この属性の指定が必要になるのは、複数のエージェントを実行するようなノードが存在する場合です。
  例えば、互いに到達可能でない複数の IP ネットワークが存在するようなサイトにおいて、この複数の IP ネットワークに同時に接続しているノードで PM/Agent/UDP を利用する場合が、これに相当します。この場合、下記のようにそれぞれの IP ネットワークに接続しているインターフェースごとに、異なるユニット番号を指定して、pmaudp エージェントを起動することになります:

  	udp-100base  type=agent -agent=pmaudp \
  	  -unit=0 -config:file=(INSTALL_DIR)/etc/udp-100base.conf
  	udp-1000base type=agent -agent=pmaudp \
  	  -unit=1 -config:file=(INSTALL_DIR)/etc/udp-1000base.conf
  	

(INSTALL_DIR)/etc/scorehosts.db

/var/tmp/score/*