SCORED(8)
MAINTENANCE COMMANDS
SCORED(8)
名称
scored - グローバルオペレーティングシステム

書式
scored [-ts time_slice] [-syslog address[:port]] [-sysmon address[:port]] [-server server_node] [-network network_name] [-operator username] [-session session-no] [-v] [-restart] [-reset]

解説
SCore-D はクラスタのシングルシステムイメージを提供するユーザレベル並列 オペレーティングシステムです。

scoredscout(1) 環境内 で起動される必要があり、クラスタのホストグループを想定した環境で動作し ます。scored は scout 環境内でのみ動作するため、 scored を起動するための scout コマンドは必要ありませ ん。scored はユーザが scrun(1) を用いて並列プログラムを起動 した場合にも暗黙のうちに呼び出されます。この場合、scored はシ ングルユーザモードで動作します。scored は明示的に起動された場 合には複数ユーザモードで動作します。

scored はプロセッサやネットワークなどの各種クラスタリソースを 管理します。ユーザ並列ジョブのスケジューリングは scored の主 要な仕事の一つです。scored はユーザ並列ジョブを "時空間分割ス ケジューリング" 方式でスケジューリングします。複数のユーザ並列ジョブが、 より高いスループットとより短いレスポンスタイムを得るために時間および空 間において多重化されます。このようなスケジューリング方式のため、ユーザ は自分の並列ジョブをどこで実行させるか明示的に指定することはできません。

SCore-D がマルチユーザモードで起動された場合、カレントあるいはインストー ルディレクトリにある scored.rc という名前のファイルが存在した ならば、SCore-D はそれらのファイルを読み込み、SCore-D のコンソールコマ ンドが列挙されているものと仮定し、読み込みます。

scored はユーザプロセスをコンピュートホスト上で fork() および exec() します。(複数ユーザモードの) scored は、ユーザプロセスのユーザ ID およびグループ ID を設定 できるよう root として起動されなければなりません。ユーザプログラムの実 行ファイルは scored および scrun によってクラスタホスト へコピーされます。このため、実行ファイルがネットワークファイルシステム 上に置かれている必要はありませんが、コピーが行えるよう読み込み可能になっ ている必要があります。元の実行ファイルの set-user-ID および set-group-ID ビットはコピーされたファイルにはセットされず、こ れらのビットの設定は影響しません。

ユーザの実行ファイルは SCore-D のディレクトリ内にコピーされます。 SCore-D のディレクトリは、複数ユーザモードでは /var/scored/multiuser、 シングルユーザモードでは /var/scored/singleuser/<user-ID>/ となります (<user-ID> はユーザ ID 番号です)。これらのディレクト リのいずれかが、scored が最初にクラスタホスト上で起動されたと きに作成されます。ユーザファイルは並列ジョブの終了時に削除されますが、 scored がシングルユーザモードで動作している場合になんらかの理 由でクラッシュすると、 /var/scored/singleuser/<user-ID> が削除されないこと があります。このような場合、scored が起動に失敗し、 "SCore-D directory (/var/scored/singleuser/1234) already exists." の ようなメッセージが表示されます。これを避けるためには、ユーザアプリケー ションを scrun(1) コマンド で起動する前に問題のディレクトリを削除してください。

システム管理者が /var/scored を別のファイルシステムに起きたい 場合、管理者は scored を起動する前にシンボリックリンクを作成 しておかなければなりません。複数ユーザモードでは、ユーザがチェックポイ ントを行った際のプロセスイメージも /var/scored に格納されます。 また、このディレクトリには scatter プログラムやユーザプログラム によって作られるテンポラリファイルも格納されます。これらのファイルはユー ザジョブの終了時に削除されますが、このディレクトリは同時に複数のユーザ によって作られるこれらファイルを格納できるだけの十分なディスクスペース のあるファイルシステムに置かれなければなりません。

/var/scored/ に複数のテンポラリファイル領域を持つことができま す。そのそれぞれは「セッション(session)」と呼ばれます。セッションは 番号と、SCore-D のサーバホスト名により識別されます。SCore-D が起動され た時に -session オプションによりセッション番号を指定すること ができます。デフォールトのセッション番号はゼロです。SCore-D 起動時に同 じ番号、同じサーバホストのセッションが存在し、しかしながら、異なる SCore-D のコンフィギュレーションだった場合、SCore-D の実行は中断します。 セッションは -reset オプションにより初期化することができます。

scored では以下のオプションが利用できます:

-ts time_slice
ギャングスケジューリングのタイムスライスを(ミリ秒で)指定します。デフォ ルトは 500 ミリ秒です

-syslog address[:port]
システムログを取るために scbcast サーバの address (および port) を指定します。デフォルトのポートは 9902 です。

-sysmon address[:port]
システムモニタのために scbcast サーバの address (お よび port) を指定します。デフォルトのポートは 9904 です。

-server server_node
サーバノードを整数で指定します。このオプションが指定されない場合、 SCore クラスタデータベース scorehosts.db(5) 内の 一番最後のノードが使用されます。

-v
バージョン情報を標準出力に出力して終了します

-restart
SCore-D がこのオプションをつけて呼び出された場合、SCore-D のクラッシュ によって中断されたユーザプロセスの再開を試みます。ユーザプロセスのチェッ クポイントが行われていれば、ユーザプロセスは一番最後にチェックポイント が行われた時点から再開されます。

-network network_name
SCore-D がクラスタ内で通信に使用するネットワークを指定します。有効なネッ トワーク名は scorehosts.db ファイル内に記述されているものとな ります。ここでの指定はユーザ並列プロセスの通信に使用するネットワークと は関係ありません。

-operator username
このオプションは、SCore-D を制御するための sc_console(2) コマンドを発行可能 なユーザを規定します。デフォールトは、SCore-D を起動したユーザになりま す。

-session session-no
セッション番号を指定します。

-reset
SCore-D がこのオプションをつけて起動された場合、SCore-D は最初に SCore-D ディレクトリをクリーンアップします。すべてのチェックポイントデー タが削除されます。

ファイル
/var/scored/
複数ユーザモードの SCore-D はこのディレクトリ内に多数のテンポラリファ イルを生成します。
/var/tmp/scored/
シングルユーザモードの SCore-D はこのディレクトリ内に多数のテンポラリ ファイルを生成します。

関連項目
scout(1), scrun(1), scorehosts.db(5), scoreboard(8), scbcast(8)

CREDIT
This document is a part of the SCore cluster system software developed at PC Cluster Consortium, Japan. Copyright (C) 2003 PC Cluster Consortium.