東京大学情報基盤センター

Society5.0の実現を目指す「計算・データ・学習」の融合による革新的スーパーコンピューティング

Society 5.0とは,デジタル技術によってコンピューター上に形作られた仮想空間と現実空間を高度に融合させ,経済発展と社会的課題解決をともに実現する,人間中心の社会である。これまで,スーパーコンピュータは主として,計算科学・工学シミュレーションに使用されてきたが,これにデータ科学,機械学習の手法を融合させることにより,Society 5.0のような新たな社会の実現が可能となる。東大情報基盤センターでは,「計算・データ・学習(S+D+L)」融合を実現するスーパーコンピュータシステム(Big Data & Extreme Computing: BDEC)の構築を目指して,2015年頃からさまざまな研究開発を進めてきた。本展示では,その現状と将来展望について紹介する。

テーマ1:「計算・データ・学習」融合スーパーコンピュータシステムWisteria/BDEC-01

2021年5月に運用を開始した「Wisteria/BDEC-01」はBDEC構想に基づく最初のシステムで,国内最大級の規模を有している。Wisteria/BDEC-01に代表される東大情報基盤センターのシステムは,工学,地球・宇宙科学,材料科学等の計算科学の他,人工知能,医療画像処理等より多様な分野で使用されている。本展示では,それら現状のシステムの概要について紹介する。

テーマ2:革新的ソフトウェア基盤h3-Open-BDEC

Wisteria/BDEC-01のような複合的システムにおいて,最大限の能力を引き出しつつ計算量・消費電エネルギを最小限に抑え,「計算・データ・学習」融合を実現する,革新的ソフトウェア基盤「h3-Open-BDEC」の開発状況と成果について紹介する。Wisteria/BDEC-01とh3-Open-BDECによって,観測データとシミュレーションを組み合わせたデータ同化,機械学習等によるシミュレーションモデルやパラメータの最適化などを容易に実現できる。更に変動精度演算を取り入れてシミュレーション時間の短縮を図り,従来と同等の正確さを保ちながら,大幅な計算量・消費エネルギ削減が可能である。

テーマ3:次の一手:将来動向とOFP-IIへ向けた取り組み

東大情報基盤センターの将来のシステム整備,研究開発の動向について紹介する。筑波大学と共同でJCAHPCとして導入を進めているOakforest-PACS後継機(OFP-II,2024年4月運用開始予定)は,東大センターとしては初の大規模なGPU搭載システムとなる予定である。ここでは,OFP-II導入に向けた様々な取り組みとその現状についても紹介する。

シンポジウム会場の発表時間

12月5日(月)14:10~14:30 「東大情報基盤センターの目指す『計算・データ・学習』の融合による革新的スーパーコンピューティング」
中島 研吾(東京大学情報基盤センター)

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問い合わせ先

東京大学情報基盤センター
スーパーコンピューティング研究部門

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URL
https://www.cc.u-tokyo.ac.jp/
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