設定ファイル


 ここでは、SCore 自動構成ツールの設定ファイルついて説明します。 SCore 自動構成ツールのサーバプログラム、および、クライアントプログラムは、それぞれ、以下に示す設定ファイルに、各種パラメータを設定できます。

 以降に、各設定ファイルの設定項目と、そのパラメータ値について、説明します。



第1節 サーバプログラムの設定

 本節では、サーバプログラムの設定に関して説明します。 サーバプログラムの設定は、設定ファイル ”/etc/sysconfig/sccfg_server” に記述します。 以下に、設定ファイルのサンプルとして、デフォルトの設定例を示します。

SCCFG_SERVER_MODE=RECONFIG

#=============================
#   PM/Ethernet constants
#=============================

PM_ETH_CONF_NAME_PREFIX=sccfg-pm-ethernet

# maxnsend 0 - 32
PM_ETH_CONF_DEFAULT_MAXNSEND=16

#  backoff 1000 - 20000 (usec)
PM_ETH_CONF_BACKOFF_10=4800
PM_ETH_CONF_BACKOFF_100=4800
PM_ETH_CONF_BACKOFF_1000=4800

# checksum (0 if off, 1 is on)
PM_ETH_CONF_DEFAULT_CHECKSUM=0

# intreap (0 or 1)
PM_ETH_CONF_DEFAULT_INTREAP=0

#====================================
#   SCore host database constants
#====================================

SCORE_HOSTS_DEFECT_MODE=no

ETHERNET_NAME_PREFIX=ethernet
ETHERNET_GROUP_PREFIX=pcc
SHMEM_NAME_PREFIX=shmem

MSGBSERV_PORT=8764

 以降に、各パラメータの設定内容、および、設定可能な値に関して、説明します。


● 自動構成ツールのモード設定のパラメータ

パラメータ名候補値デフォルト値
SCCFG_SERVER_MODE“KEEP” or “RECONFIG”“RECONFIG”
説明:
SCore 自動構成ツールの実行モードを設定します。 本パラメータには、sccfg_mode コマンドと同様、”KEEP”、もしくは、”RECONFIG” を指定します。 設定した動作は、管理ノードを起動時した時に、SCore 自動構成ツールに反映されます。 設定値に関しては、sccfg_modeを参照してください。

● PM/Ethernet 設定ファイルのパラメータ

パラメータ名候補値デフォルト値
PM_ETH_CONF_NAME_PREFIX文字列(ファイル名)“sccfg-pm-ethernet”
説明:
SCore 自動構成ツールが動的に生成する PM/Ethernet 設定ファイルのファイル名の接頭子を指定します。
パラメータ名候補値デフォルト値
PM_ETH_CONF_DEFAULT_MAXNSEND数値(8 - 32)16
説明:
PM/Ethernet のパラメータ MAXNSEND に設定する値を指定します。 本パラメータは、SCore 自動構成ツールで作成される PM/Ethernet の設定ファイルの MAXNSEND に指定されます。 MAXNSEND は、ack 待ちをしないで一度に送信するパケット数を指定するパラメータです。 Network Trunking 機能を利用する場合は、この値をデフォルトの数より大きな値を設定することが推奨されています。
パラメータ名候補値デフォルト値
PM_ETH_CONF_BACKOFF_10数値(1000 ~ 20000)4800
PM_ETH_CONF_BACKOFF_100数値(1000 ~ 20000)4800
PM_ETH_CONF_BACKOFF_1000数値(1000 ~ 20000)4800
説明:
PM/Ethernet のパラメータ BACKOFF に設定する値を指定します。 各パラメータには、それぞれ、Ethernet の通信速度が 10、100、1000 Mb/s の場合の BACKOFF 値を指定します。 本パラメータは、SCore 自動構成ツールで作成される PM/Ethernet の設定ファイルの BACKOFF に指定されます。 BACKOFF は、パケットの再送時間を指定するパラメータです。 大規模クラスタ (100ノード以上) での実行、もしくは、 all-to-all 通信を使っているアプリケーションにおいては、大きな値を設定することが推奨されています。
パラメータ名候補値デフォルト値
PM_ETH_CONF_DEFAULT_CHECKSUM数値(0 or 1)0
説明:
PM/Ethernet のパラメータ CHECKSUM に設定する値を指定します。 本パラメータは、SCore 自動構成ツールで作成される PM/Ethernet の設定ファイルの CHECKSUM に指定されます。 アプリケーションの計算結果が正しくない場合など、メッセージ通信のデータに異常がみられる場合は、CHECKSUM に 1 を設定することで、問題を改善できる場合があります。 CHECKSUMに 1 を設定している場合、 /proc/pm/ethernet/ ユニット番号 /info で、 検出されたチェックサムエラーの個数を確認する事ができます。
パラメータ名候補値デフォルト値
PM_ETH_CONF_DEFAULT_INTREAP数値(0 or 1)0
説明:
PM/Ethernet のパラメータ INTREAP に設定する値を指定します。 本パラメータは、PM/Ethernet の設定ファイルの INTREAP に指定されます。 本オプションに 1 を設定することにより、割り込み処理による遅延を低減し、通信性能が改善される場合があります。

● ホストDB設定ファイルのパラメータ

パラメータ名候補値デフォルト値
SCORE_HOSTS_DEFECT_MODE“yes” or “no”“no”
説明:
本パラメータに ”yes” が指定された場合、削除された計算ノードを、欠陥ホストとして、設定ファイル ”scorehosts.defects” に登録します。 これは、“-d” オプションを指定して、sccfg_unregister_host コマンドを実行した場合と同じ動作です。 ”no” が指定された場合は、設定ファイル ”scorehosts.db” から、計算ノードのエントリを削除します。 本パラメータは、SCore ホスト DB 設定ファイルの状態を保持したい場合に有効です。
パラメータ名候補値デフォルト値
ETHERNET_NAME_PREFIX文字列(空白なし)“ethernet”
SHMEM_NAME_PREFIX文字列(空白なし)“shmem”
ETHERNET_GROUP_PREFIX文字列(空白なし)“pcc”
説明:
設定ファイル ”scorehosts.db” に記述する、通信デバイスのデバイス名、および、ホストグループのグループ名の接頭子を指定します。 各パラメータには、それぞれ、PM/Ethernet のデバイス名、PM/Shmem のデバイス名、ホストグループのグループ名を指定します。
パラメータ名候補値デフォルト値
MSGBSERV_PORT数値(ポート番号)8764
説明:
msbserv が使用するソケットのポート番号を指定します。 RC スクリプトファイル ”/etc/init.d/msgbserv” で、msgbser のポート番号を変更した場合、本パラメータに同様の値を設定する必要があります。

第2節 クライアントプログラムの設定

 本節では、クライアントプログラムの設定に関して説明します。 クライアントプログラムの設定は、設定ファイル ”/etc/sysconfig/sccfg_client” に記述します。 以降に、各パラメータの設定内容、および、設定可能な値に関して、説明します。


● 管理ノード探索のパラメータ

パラメータ名候補値デフォルト値
SCCFG_CLIENT_NET_OPTsccfg_find_bserver コマンドオプション(設定なし)
説明:
SCore の管理ノードを探索するsccfg_find_bserver コマンド実行時に指定する、ネットワークデバイス指定オプションを記述します。 設定値は、sccfg_find_bserver コマンドと同様 ”-n” オプションをつけて指定します。
SCCFG_CLIENT_NET_OPT=”-n ネットワークデバイス名”
デフォルトでは、オプションは指定されません。 オプションの詳細については、sccfg_find_bserverの「-n オプション」の項目を参照してください。
パラメータ名候補値デフォルト値
SCCFG_CLIENT_OPTsccfg_find_bserver コマンドオプション(設定なし)
説明:
SCore の管理ノードを探索する sccfg_find_bserver コマンドの実行時に指定するオプションを記述します。 リクエストサーバのホスト名や、ポート番号等を指定することができます。
SCCFG_CLIENT_OPT=”-host ホスト名 -p ポート番号”
デフォルトでは、オプションは指定されません。 オプションの詳細については、sccfg_find_bserver を参照してください。
パラメータ名候補値デフォルト値
SCCFG_CLIENT_CHECK_ALL_NETWORK“yes”(設定なし)
説明:
本パラメータに ”yes” が指定された場合、計算ノードが所属する全てのネットワークに対して、SCore の管理ノードを探索します。 それ以外の場合は、ホスト名が所属するサブネットに対してのみ、SCore の管理ノードを検索します。
パラメータ名候補値デフォルト値
SCCFG_CLIENT_VERIFY_TIMEOUT数値(秒)15
説明:
SCore 自動構成ツールは、クライアント停止時に、登録したサーバの再検出を行います。 本パラメータは、再検出時に sccfg_find_bserver コマンドに指定するタイムアウト時間を指定します。 詳細については、sccfg_find_bserverの「-t オプション」 の項目を参照してください。