RWC SCore Easy Installation Tool (EIT) Version 2 ガイド

Table of Contents

  1. インストールの概要
  2. SCoreインストールモジュールの展開
  3. NIS設定
  4. EIT
  5. サーバホストをコンピュートホストにも使用する方法
  6. 設定終了後追加コンピュートホストの設定方法

  1. インストールの概要

    このドキュメントでは以下を仮定しています:

    インストール手順は主に次の3つのようなステップになります:

    1. EIT GUIによる情報設定
    2. 計算ホストのインストール
    3. SCore Serverの設定

    DVDドライブではなくCDドライブしかついていない 計算ホストインストール用に、ブートCD-ROMが配布されています。 SCore DVDイメージをお持ちの方は、

               /mnt/cdrecorder/images/scoreboot.iso
    
    をCD-RWに焼いて下さい。 このCDには計算ホストのインストールに必要なローカルな情報は一切含まれません。 計算ホストのインストールイメージはサーバに存在します。

    EITはサーバ上にDHCPプロトコルをしゃべるデーモンを立ち上げます。 このDHCPサーバは標準DHCPサーバが使用するポート番号67の代りに1641番を使います。 CDを使って計算ホスト上でインストーラが立ち上がると、EITデーモンから IPアドレスを取得し、サーバのインストールイメージをマウントし、 サーバ上に格納されているkickstartファイルを使用してanacondaを立ち上げます。 このIPアドレスが計算ホストのアドレスとなります。

    スーパユーザでサーバにログインし、/sbin/および/usr/sbinがコマンドパスに 入っているのを確認して下さい。 すなわち、例えば、以下のコマンドが起動できるのを確認して下さい。

            # ifconfig eth0
    

  2. EITセットアップ
    SCore DVDをDVD盤でお持ちの方は(1)を、SCore DVDのisoファイルをお持ちの方は、(2)の手順に沿ってインストールして下さい。
    1. SCore DVD盤をお持ちの方は、SCore DVDをDVDドライブに挿入して、 以下のコマンドを実行して下さい。 ここでは、DVDドライブが/dev/hdaデバイスとして認識されていると仮定しています。
              # mkdir -p /var/ftp/media/cdrecorder
              # mount /dev/hda /var/ftp/media/cdrecorder
      	# cd /var/ftp/media/cdrecorder
      	# ./Install
      
    2. SCore DVDのisoイメージをdownload しているならば、以下のコマンドを実行して下さい。ここでは、score6.0.0-centos4.4.isoイメージが、/workにあると仮定しています。
              # mkdir -p /var/ftp/media/cdrecorder
              # mount -o loop /work/score6.0.0-centos4.4.iso /var/ftp/media/cdrecorder
      	# cd /var/ftp/media/cdrecorder
      	# ./Install
      

    実行後、/opt/scoreディレクトリが生成され、ドキュメントとEITが インストールされます。

  3. SCore Boot CDの作成

    • 計算ホストにCDドライブしかないない場合
      計算ホストのインストレーション用にBOOT CDを作成します。 ブートイメージは、以下のファイルです。これを、CD-Rに焼いて下さい。
               /var/ftp/media/cdrecorder/images/scoreboot.iso
      

      CD-Rを焼くために、SCore DVDを取り出さなければいけない場合は、上記ファイルを ディスクにコピーしてからDVDを取り出して焼いて下さい。 CD-Rを焼いた後、再び、SCore DVDをマウントして下さい。

    • 計算ホストにDVDドライブがある場合
      SCore DVDを利用しますので、サーバホストからDVDを取り出して下さい。
  4. NISの設定

    EITはNIS環境を仮定しています。
    1. NISサーバが既にある場合
      1. 例えば、NISDOMAINがscore.infoとすると、以下のコマンドを実行して下さい:
                # /opt/score/bin/configNIS client score.info
        
      2. サーバホストおよび全ての計算ホストがNISに登録されているのを確認して下さい。
    2. SCoreサーバ上でNISサーバを立ち上げる場合
      1. /etc/hostsファイルにサーバホストおよび全ての計算ホストを登録して下さい。
      2. ユーザアカウントを登録して下さい。
      3. NISサーバを立ち上げるために、以下のようにconfigNISコマンドを使用します。以下の例では、score.info NISDOMAIN名を持つサーバを立ち上げています。
                # /opt/score/bin/configNIS server score.info
        

  5. EIT

    起動時にXウィンドウシステムが動かないように以下の通り設定して下さい。
            # telinit 3
    
    startxコマンドで、Xウィンドウシステムを立ち上げて下さい。 Xウィンドウシステム上で以下のコマンドを実行してください:
    	# /opt/score/bin/eit
    
    1. NISおよびDNSが動いている場合
      	# /opt/score/bin/eit
      
    2. NISのみが動いている場合
      	# /opt/score/bin/eit -nisonly
      
    以下の画面が現れるでしょう:

    [Easy Installation Tool Welcome Window]

    Figure 1: Easy Installation Tool Welcome Window

    Nextボタンをクリックしてインストールを始めましょう。

    1. Keyboard Selection
      以下のようなKeyboard Selection画面が表示されるでしょう。 キーボードタイプを選択して下さい。

      [Keyboard Selection]

      Figure 2: Keyboard Selection

      Nextボタンをクリックしてネットワーク設定画面に進んで下さい。

    2. ネットワークの設定
      以下のような画面が表示されているでしょう。

      [Network Configuration]

      Figure 3: Network Configuration

      基本的にはネットワーク設定を変更する必要はありません。 もしSCore Cluster Develpment Kit DVDのイメージがハードディスクにある場合、マウントポイントを変更する必要があります。
      • Server Name
        変更の必要はありません。
      • Domain Name
        Domain Nameはサーバホストのドメイン名です。
      • Netmask
        もしサーバホストのnetmaskがデフォルトと異なる場合は値を変更してください。
      • Gateway
        もしサーバホストのgatewayがデフォルトと異なる場合は値を変更してください。
      • NIS
        もしNIS domein nameがデフォルトと異なる場合は値を変更してください。
      • Mount Point
        本バージョンでは、この項目を変更しないで下さい。
      • Display
        インストールの様子をモニタするためのdisplay hostを指定してください。
      Disk Setupボタンをクリックして下さい。

    3. NFS Configuration
      Figure 4に示すようなNFS Configuration画面が表示されているでしょう。 ここでは、計算ホストにおけるNFSマウントポイントを指定できます。

      [NFS Configuration]
      Figure 4: NFS Configuration

      NFSマウントを指定し終ったら、Nextボタンをクリックして下さい。

    4. Host Information
      次のステップは計算ホスト情報の設定です。

      [Host Information]
      Figure 5: Host Information

      Host Information画面 (Figure 5) では、次のことを行います:
      1. Number of Hostsの値を変更します。 例えば、サーバホストが1台、計算ホストが8台の構成である場合はこの値を8にして下さい。
      2. 計算ホストの名前は、Name Prefixで設定された文字列の後に 番号を続けたものになります。この番号は、digithexoctボタンで選択した表記法をとります。もし、noneボタ ンを選択した場合には、番号は追加されません。
      3. 番号はStart欄で設定された番号から始まります。
      4. Figure欄では、番号の桁数を設定します。
        例えば、4台の計算ホストの接尾句が005, 006, 007, 008の場合には、Start欄には5、Figure欄には3を入れます。
      5. 計算ホストがSMPである場合、プロセッサの数をNumber of Processorsフィールドに入力してください。

      6. Addボタンをクリックして下さい。

      7. Hosts Configurationダイアログボックスが現れます。 使用されるhostnameが0から順番に全て表示されてます (Figure 6):

        [Hosts Configuration]
        Figure 6: Hosts Configuration

      8. OKを選択するとこのリストで決定,Cancelを選択するとまたやり直しです。

      全ての計算ホストを定義したら、Nextボタンをクリックして下さい。

    5. Cluster Network Configuration
      Cluster Network Configuration 画面が現れます (Figure 7)。

      [Cluster Network Configuration]
      Figure 7: Cluster Network Configuration

      使用するネットワークタイプとともにクラスタのグループを指定します。 Newをクリックして下さい。 以下のようなウインドウが表示されます (Figure 8)。

      [Cluster Network Configuration]
      Figure 8: Group Creation

      1. グループの名前を最上部のテキストフィールドに入力してください。 この下に各ネットワークタイプがトグルボタンになっています。 トグルボタンで使いたいネットワークを選択してください。 SMPシステムにおいて"Shmem"を選択している場合は右側のテキストフィールドにプロセス数を入力してください。プロセス数はSMPマシンのCPUの数より大きくなってはいけません。
      2. ウィンドウの左側はホスト候補のボックスです。もしホスト数分が表示されていなくても、スクロールバーを使ってスクロールすると表示されます。 グループにしたいホストを選択すると、選択されたホストは右側に表示されます。

        もし、全てのホストあるいは半分あるいは1/4のホストを選択したい場合には、 host候補およびhost選択ボックスの下にあるボタンを使用すると良いでしょう。 例えば、最初の半分のホストを選択したい場合は、1/2ボタンをクリックしてください。 最後の半分のホストを選択したい場合は、2/2ボタンをクリックしてください。

        情報を入力し終えると、以下のようなウィンドウが表示されているでしょう(Figure 11)。

        [Group Creation]
        Figure 9: Group Creation (2)

      3. OKをクリックするとこのグループで決定、Cancelをクリックするとやり直しです。OKボタンをクリックすると以下のような画面が表示されるはずです (Figure 12)。

        [Group Creation]
        Figure 10: Cluster Network Configuration (2)

        Nextボタンをクリックして次に進んで下さい。

    6. Cluster Setup

      Cluster Setup画面が表示され、計算ホストのインストールを開始できます。

      [Cluster Setup]
      Figure 11: Cluster Setup

      それでは、以下のように計算ホストをインストールしましょう:
      1. SCore Boot CDあるいはSCore DVDを計算ホスト0番に挿入して電源を投入します。
      2. しばらくすると、Figure 12に示すように、Cluster Setup画面上に計算ホスト 0のMACアドレスとIPアドレスが表示されます。

        [Cluster Setup 2]
        Figure 12: Cluster Setup (2)

        この時点で、EITデーモンは正式なIPアドレスを計算ホストに割り振っています。 CDを取り出して、次の計算ホストに挿入して電源を投入して構いません。 DVDを使用している場合は、DVD上のインストールイメージを使用しますので、 取り出すことが出来ません。

      3. インストールの最中、以下のようなウインドウが表示されるでしょう:
        [Installing Packages]\
        Figure 13: Installing Packages

      4. インストレーションが終了すると、以下の画面が表示されます。 "Exit"ボタンをクリックしてください。計算ホストがリブートします。 計算ホストに挿入したCDあるいはDVDを取り外すことを忘れないで下さい。

        [Congratulation Window]
        Figure 14: Congratulation Window

      全ての計算ホストのインストレーションが終了したら次のステップです。

    7. Server Setup

      全ての計算ホストのインストレーション後、EITウインドウ上の Nextボタンをクリックし、サーバホストの設定を行ないます。

      [Server Setup]
      Figure 15: Server Setup

      以下のメッセージが現れたら、OKボタンをクリックして下さい。

      [Server Setup Done]
      Figure 16: Server Setup Done

      [Congratulation]
      Figure 17: Congratulation !

      clusterのテストを行なう前に、一度ログアウトし、ログインし直してください。 /etc/profile.d下の環境変数が有効になります。



  6. サーバホストをコンピュートホストにも使用する方法

    もし、サーバホストも計算ホストとして使用したい場合には、計算ホストの リストにサーバホスト名を追加してください。

    例えば、先の例でサーバホストを計算ホストリストに追加してみましょう。 先の例では、8台の計算ホストが既に登録されていました。サーバホストの名前は server.pccluster.orgでした。

    ここでは、まだ SCore システムの設定を行ってないことを仮定します。 すなわち、まだ、Cluster Network Configuration画面に進んでいないものとします。 もし、既に計算ホストを設定し終っていたら、 設定終了後追加コンピュートホストの設定方法を参照下さい。

    1. Figure 18で示す通りhost informationセクションにおいて、
      1. Number of Hosts欄を1とします、
      2. Name Prefix欄にserverという文字列を入れます。
      3. noneボタンを選択します。
      そして、Addをクリックします。

      Figure 18: Host Information

      以下のようなウインドウが表示されますので、OKボタンをクリックしてください。

      Figure 19: Hosts Configuration

    2. それでは、Cluster Network ConfigurationセクションのNewボタンをクリックしてネットワークを設定してください。

    3. では Next ボタンをクリックしてください。 残りの手順は、通常の EIT インストールの場合と同様です。 Compute Hostsの設定を参照してください。

    将来、もし、クラスタの計算ホストを増やす計画があるのならば、serverは計算ホスト番号0にした方が良いです。 このようにするためには、まず、サーバホスト名を登録した後に、他の計算ホスト名を登録する必要があります。

  7. 設定終了後追加コンピュートホストの設定方法

    設定後、さらに計算ホストを追加したい場合には、以下のようにしてください:

    1. /opt/score/bin/eitを起動してください。
    2. Loadボタンをクリックしてください。以前設定した情報が読み込まれます。
    3. Host Informationセクションで、新しい計算ホストの名前を登録してください。 新しい計算ホストはサーバホストでも構いません。その場合、Host Informationセクションでサーバホスト名を入れてください。
    4. Cluster Network Configurationセクションで、既に登録しているネットワークグループを修正するか新しいネットワークグループを生成してください。
    5. Nextボタンをクリックすると以下のウインドウが表示されるでしょう。 既に設定した計算ホストはそのまま利用できますので、 Noボタンをクリックして下さい。

      Figure 20: Reconfiguration Confirmation

    6. SCore Boot CDを用いて新しい計算ホストを設定して下さい。終了したら、Setup Server Hostボタンをクリックして下さい。
    7. 新しい計算ホストにサーバホストが入っている場合、サーバホストは必ずrebootして下さい。


PCCC logo PC Cluster Consotium