実行バイナリの作成手順


 ここでは、実行バイナリの作成手順に関して説明します。 まず、最初にソースコードから RPM パッケージを作成する手順に関して説明します。 その後、ソースコードから手動でインストールする場合の手順に関して説明します。



第1項 RPM パッケージの作成手順

 SCore 自動構成ツールの RPM パッケージを作成する手順に関して説明します。 RPM作成用のスクリプトは、SCoreのバイナリパッケージが/opt/scoreにインストールされている事を前提としています。 まず最初に、SCoreのバイナリを、作業を行うホストにインストールしてください。 SCore 自動構成ツールのソースコードは、SCore 6のソースに含まれていますので、PCクラスタコンソーシアムから、ソースコードを入手して、作業を行うホスト上に展開してください。 SCoreのソースコードを ~/score6-src に展開した場合、以下に示すコマンドを実行して下さい。 なお、RPMの作成作業はroot権限が必要となりますので、rootでログインしてからコマンドを実行してください。

# cd ~/score6-src/sccfg/release
# make rpm

上記コマンドの実行により、以下に示す RPM ファイル、および、ソース RPM ファイルが作成されます。

/usr/src/redhat/RPM/i386/sccfg-client-0.0.1-1.i386.rpm
/usr/src/redhat/RPM/i386/sccfg-client-debuginfo-0.0.1-1.i386.rpm
/usr/src/redhat/RPM/i386/sccfg-server-0.0.1-1.i386.rpm
/usr/src/redhat/RPM/i386/sccfg-server-debuginfo-0.0.1-1.i386.rpm
/usr/src/redhat/SRPMS/sccfg-client-0.0.1-1.src.rpm
/usr/src/redhat/SRPMS/sccfg-server-0.0.1-1.src.rpm


<第2項 ソースコードから手動でインストールする手順

 手動により、SCore 自動構成ツールの実行バイナリを作成する手順に関して説明します。 SCore 自動構成のビルド環境は、SCoreのバイナリパッケージがインストールている必要があります。 まず最初に、SCoreのバイナリを、作業を行うホストにインストールしてください。 SCore 自動構成ツールのソースコードは、SCore 6のソースに含まれていますので、PCクラスタコンソーシアムから、ソースコードを入手して、作業を行うホスト上に展開してください。 ここでは、SCoreのソースコードが ~/score6-src に展開されている事を前提として説明します。 なお、インストール作業はroot権限が必要となりますので、rootでログインして作業をしてください。

 まず最初に、~score6-serc/sccfg ディレクトリ以下にある config.make を、インストールする環境に合わせて修正します。 以下の表に、設定可能なパラメータと配布時の設定を示します。 ビルドする環境に合わせて、設定を修正してください。
config.makeの設定
変数設定値内容
SCORE_INSTALL_ROOT/opt/scoreSCoreのインストールディレクトリ
SCCFG_INSTALL_ROOT${RPM_BUILD_ROOT}/opt/sccfgSCore自動構成ツールのインストールディレクトリ
SCCFG_BIN_DIR${SCCFG_INSTALL_ROOT}/bin実行バイナリの格納先
SCCFG_SBIN_DIR${SCCFG_INSTALL_ROOT}/sbinシステム管理者用実行バイナリの格納先
SCCFG_SETUP_DIR${SCCFG_INSTALL_ROOT}/setupセットアップツールの格納先
SCCFG_LIBEXEC_DIR${SCCFG_INSTALL_ROOT}/libexec/sccfg実行バイナリから呼び出されるプログラムの格納先
SCCFG_LIBEXEC_CLINET_DIR${SCCFG_LIBEXEC_DIR}/clientクライアント用ツールから呼び出されるプログラムの格納先
SCCFG_LIBEXEC_SERVER_DIR${SCCFG_LIBEXEC_DIR}/serverサーバ用ツールから呼び出されるプログラムの格納先
SCCFG_LIBEXEC_COMMON_DIR${SCCFG_LIBEXEC_DIR}/commonサーバ/クライアントツールから呼び出される、共用のプログラムの格納先
SCCFG_VAR_DIR/var/lib/sccfg構成情報を格納するディレクトリ
SCCFG_VAR_CLIENT_DIR${SCCFG_VAR_CLIENT_DIR}/client構成情報を格納するディレクトリ(クライアント用)
SCCFG_VAR_SERVER_DIR${SCCFG_VAR_CLIENT_DIR}/server構成情報を格納するディレクトリ(サーバ用)

 config.make の修正が終わりましたら、以下に示すコマンドを実行して、SCore 自動構成ツールをコンパイルし、システムにインストールしてください。

# cd ~score6-src/sccfg
# make
# make install

次に、インストールしたプログラム群のセットアップを行います。 セットアップは、管理ノード、および、計算ノード毎に設定方法が異なります。 以下に示す手順に従って設定を行ってください。 なお、以下に示す手順は、プログラムのコンパイル時に使用する config.make が、 配布時の設定と同じである事を前提として説明しています。 SCCFG_SETUP_DIR の値を 変更した場合は、変更したパスに合わせて、実行手順を修正してください。

管理ノードのセットアップ

 以下に示すコマンドを実行して、管理ノード向けのセットアップを実行してください。

# cd /opt/sccfg/setup
# setup -server

計算ノードのセットアップ

 以下に示すコマンドを実行して、計算ノード向けのセットアップを実行してください。

# cd /opt/sccfg/setup
# setup -client

 以上で、手動によるインストールは終了です。 SCore 自動構成を使用するに当たっては、「使用方法」に示す手順に沿って、システムの起動を行ってください。