- インストールの概要
このドキュメントでは以下を仮定しています:
- 既にCentOS4.4がサーバホストにインストールされている。
インストール時のファイアーウォール設定画面におけるセキュリティレベルをno firewallとしていること。すなわち、rshdやtelnetdなどが使用できる設定になっていること。
さらに、Security Enhanved Linuxは設定しないこと。
- サーバホストは/opt ディレクトリの下に少なくとも500MBのディスクスペースがあること。
- 全ての計算ホストのディスクは初期化されてインストールされます。
- SCore 6.0.0 Cluster Development Kit DVDあるいはそのイメージを持っていること。
これ以降、SCore 6.0.0 Cluster Development Kit DVDをSCore DVDと呼ぶ。
インストール手順は主に次の3つのようなステップになります:
- EIT GUIによる情報設定
- 計算ホストのインストール
- SCore Serverの設定
DVDドライブではなくCDドライブしかついていない
計算ホストインストール用に、ブートCD-ROMが配布されています。
SCore DVDイメージをお持ちの方は、
/mnt/cdrecorder/images/scoreboot.iso
をCD-RWに焼いて下さい。
このCDには計算ホストのインストールに必要なローカルな情報は一切含まれません。
計算ホストのインストールイメージはサーバに存在します。
EITはサーバ上にDHCPプロトコルをしゃべるデーモンを立ち上げます。
このDHCPサーバは標準DHCPサーバが使用するポート番号67の代りに1641番を使います。
CDを使って計算ホスト上でインストーラが立ち上がると、EITデーモンから
IPアドレスを取得し、サーバのインストールイメージをマウントし、
サーバ上に格納されているkickstartファイルを使用してanacondaを立ち上げます。
このIPアドレスが計算ホストのアドレスとなります。
スーパユーザでサーバにログインし、/sbin/および/usr/sbinがコマンドパスに
入っているのを確認して下さい。
すなわち、例えば、以下のコマンドが起動できるのを確認して下さい。
# ifconfig eth0
- EITセットアップ
SCore DVDをDVD盤でお持ちの方は(1)を、SCore DVDのisoファイルをお持ちの方は、(2)の手順に沿ってインストールして下さい。
- SCore DVD盤をお持ちの方は、SCore DVDをDVDドライブに挿入して、
以下のコマンドを実行して下さい。
ここでは、DVDイメージが、/media/cdrecorderにマウントされていると仮定しています。
# mkdir -p /var/ftp/media/cdrecorder
# mount /media/cdrecorder /var/ftp/media/cdrecorder
# cd /var/ftp/media/cdrecorder
# ./Install
- SCore DVDのisoイメージをdownload
しているならば、以下のコマンドを実行して下さい。ここでは、score6.0.0-centos4.4.isoイメージが、/workにあると仮定しています。
# mkdir -p /var/ftp/media/cdrecorder
# mount -o loop /work/score6.0.0-centos4.4.iso /var/ftp/media/cdrecorder
# cd /var/ftp/media/cdrecorder
# ./Install
実行後、/opt/scoreディレクトリが生成され、ドキュメントとEITが
インストールされます。
- SCore Boot CDの作成
- NISの設定
EITはNIS環境を仮定しています。
- NISサーバが既にある場合
- 例えば、NISDOMAINがscore.infoとすると、以下のコマンドを実行して下さい:
# /opt/score/bin/configNIS client score.info
- サーバホストおよび全ての計算ホストがNISに登録されているのを確認して下さい。
- SCoreサーバ上でNISサーバを立ち上げる場合
- /etc/hostsファイルにサーバホストおよび全ての計算ホストを登録して下さい。
- ユーザアカウントを登録して下さい。
- NISサーバを立ち上げるために、以下のようにconfigNISコマンドを使用します。以下の例では、score.info NISDOMAIN名を持つサーバを立ち上げています。
# /opt/score/bin/configNIS server score.info
- EIT
起動時にXウィンドウシステムが動かないように以下の通り設定して下さい。
# telinit 3
startxコマンドで、Xウィンドウシステムを立ち上げて下さい。
Xウィンドウシステム上で以下のコマンドを実行してください:
# /opt/score/bin/eit
- NISおよびDNSが動いている場合
# /opt/score/bin/eit
- NISのみが動いている場合
# /opt/score/bin/eit -nisonly
以下の画面が現れるでしょう:
Figure 1: Easy Installation Tool Welcome Window
Nextボタンをクリックしてインストールを始めましょう。
- Keyboard Selection
以下のようなKeyboard Selection画面が表示されるでしょう。
キーボードタイプを選択して下さい。
Figure 2: Keyboard Selection
Nextボタンをクリックしてネットワーク設定画面に進んで下さい。
- ネットワークの設定
以下のような画面が表示されているでしょう。
Figure 3: Network Configuration
基本的にはネットワーク設定を変更する必要はありません。
もしSCore Cluster Develpment Kit DVDのイメージがハードディスクにある場合、マウントポイントを変更する必要があります。
- Server Name
変更の必要はありません。
- Domain Name
Domain Nameはサーバホストのドメイン名です。
- Netmask
もしサーバホストのnetmaskがデフォルトと異なる場合は値を変更してください。
- Gateway
もしサーバホストのgatewayがデフォルトと異なる場合は値を変更してください。
- NIS
もしNIS domein nameがデフォルトと異なる場合は値を変更してください。
- Mount Point
計算ホストのインストール用にSCore Boot CDを使用する場合は、
SCore DVDのイメージの場所を指定してください。
- Display
インストールの様子をモニタするためのdisplay hostを指定してください。
Disk Setupボタンをクリックして下さい。
- NFS Configuration
Figure 4に示すようなNFS Configuration画面が表示されているでしょう。
ここでは、計算ホストにおけるNFSマウントポイントを指定できます。
Figure 4: NFS Configuration
NFSマウントを指定し終ったら、Nextボタンをクリックして下さい。
- Host Information
次のステップは計算ホスト情報の設定です。
Figure 5: Host Information
Host Information画面 (Figure 5) では、次のことを行います:
- Number of Hostsの値を変更します。
例えば、サーバホストが1台、計算ホストが8台の構成である場合はこの値を8にして下さい。
- 計算ホストの名前は、Name Prefixで設定された文字列の後に
番号を続けたものになります。この番号は、digit、hex、
octボタンで選択した表記法をとります。もし、noneボタ
ンを選択した場合には、番号は追加されません。
- 番号はStart欄で設定された番号から始まります。
- Figure欄では、番号の桁数を設定します。
例えば、4台の計算ホストの接尾句が005, 006, 007, 008の場合には、Start欄には5、Figure欄には3を入れます。
-
計算ホストがSMPである場合、プロセッサの数をNumber of Processorsフィールドに入力してください。
- Addボタンをクリックして下さい。
- Hosts Configurationダイアログボックスが現れます。
使用されるhostnameが0から順番に全て表示されてます (Figure 6):
Figure 6: Hosts Configuration
- OKを選択するとこのリストで決定,Cancelを選択するとまたやり直しです。
全ての計算ホストを定義したら、Nextボタンをクリックして下さい。
- Cluster Network Configuration
Cluster Network Configuration 画面が現れます (Figure 7)。
Figure 7: Cluster Network Configuration
使用するネットワークタイプとともにクラスタのグループを指定します。
Newをクリックして下さい。
以下のようなウインドウが表示されます (Figure 8)。
Figure 8: Group Creation
-
グループの名前を最上部のテキストフィールドに入力してください。
この下に各ネットワークタイプがトグルボタンになっています。
トグルボタンで使いたいネットワークを選択してください。
SMPシステムにおいて"Shmem"を選択している場合は右側のテキストフィールドにプロセス数を入力してください。プロセス数はSMPマシンのCPUの数より大きくなってはいけません。
-
ウィンドウの左側はホスト候補のボックスです。もしホスト数分が表示されていなくても、スクロールバーを使ってスクロールすると表示されます。
グループにしたいホストを選択すると、選択されたホストは右側に表示されます。
もし、全てのホストあるいは半分あるいは1/4のホストを選択したい場合には、
host候補およびhost選択ボックスの下にあるボタンを使用すると良いでしょう。
例えば、最初の半分のホストを選択したい場合は、1/2ボタンをクリックしてください。
最後の半分のホストを選択したい場合は、2/2ボタンをクリックしてください。
情報を入力し終えると、以下のようなウィンドウが表示されているでしょう(Figure 11)。
Figure 9: Group Creation (2)
- OKをクリックするとこのグループで決定、Cancelをクリックするとやり直しです。OKボタンをクリックすると以下のような画面が表示されるはずです (Figure 12)。
Figure 10: Cluster Network Configuration (2)
Nextボタンをクリックして次に進んで下さい。
- Cluster Setup
Cluster Setup画面が表示され、計算ホストのインストールを開始できます。
Figure 11: Cluster Setup
それでは、以下のように計算ホストをインストールしましょう:
- SCore Boot CDあるいはSCore DVDを計算ホスト0番に挿入して電源を投入します。
- しばらくすると、Figure 12に示すように、Cluster Setup画面上に計算ホスト 0のMACアドレスとIPアドレスが表示されます。
Figure 12: Cluster Setup (2)
この時点で、EITデーモンは正式なIPアドレスを計算ホストに割り振っています。
CDを取り出して、次の計算ホストに挿入して電源を投入して構いません。
DVDを使用している場合は、DVD上のインストールイメージを使用しますので、
取り出すことが出来ません。
- インストールの最中、以下のようなウインドウが表示されるでしょう:
Figure 13: Installing Packages
- インストレーションが終了すると、以下の画面が表示されます。
"Exit"ボタンをクリックしてください。計算ホストがリブートします。
計算ホストに挿入したCDあるいはDVDを取り外すことを忘れないで下さい。
Figure 14: Congratulation Window
全ての計算ホストのインストレーションが終了したら次のステップです。
- Server Setup
全ての計算ホストのインストレーション後、EITウインドウ上の
Nextボタンをクリックし、サーバホストの設定を行ないます。
Figure 15: Server Setup
以下のメッセージが現れたら、OKボタンをクリックして下さい。
Figure 16: Server Setup Done
Figure 17: Congratulation !
clusterのテストを行なう前に、一度ログアウトし、ログインし直してください。
/etc/profile.d
下の環境変数が有効になります。
- サーバホストをコンピュートホストにも使用する方法
もし、サーバホストも計算ホストとして使用したい場合には、計算ホストの
リストにサーバホスト名を追加してください。
例えば、先の例でサーバホストを計算ホストリストに追加してみましょう。
先の例では、8台の計算ホストが既に登録されていました。サーバホストの名前は
server.pccluster.org
でした。
ここでは、まだ SCore システムの設定を行ってないことを仮定します。
すなわち、まだ、Cluster Network Configuration画面に進んでいないものとします。
もし、既に計算ホストを設定し終っていたら、
設定終了後追加コンピュートホストの設定方法を参照下さい。
-
Figure 18で示す通りhost informationセクションにおいて、
- Number of Hosts欄を1とします、
- Name Prefix欄に
server
という文字列を入れます。
- noneボタンを選択します。
そして、Addをクリックします。
Figure 18: Host Information
以下のようなウインドウが表示されますので、OKボタンをクリックしてください。
Figure 19: Hosts Configuration
- それでは、Cluster Network ConfigurationセクションのNewボタンをクリックしてネットワークを設定してください。
- では Next ボタンをクリックしてください。
残りの手順は、通常の EIT インストールの場合と同様です。
Compute Hostsの設定を参照してください。
将来、もし、クラスタの計算ホストを増やす計画があるのならば、serverは計算ホスト番号0にした方が良いです。
このようにするためには、まず、サーバホスト名を登録した後に、他の計算ホスト名を登録する必要があります。
- 設定終了後追加コンピュートホストの設定方法
設定後、さらに計算ホストを追加したい場合には、以下のようにしてください:
/opt/score/bin/eit
を起動してください。
- Loadボタンをクリックしてください。以前設定した情報が読み込まれます。
- Host Informationセクションで、新しい計算ホストの名前を登録してください。
新しい計算ホストはサーバホストでも構いません。その場合、Host Informationセクションでサーバホスト名を入れてください。
- Cluster Network Configurationセクションで、既に登録しているネットワークグループを修正するか新しいネットワークグループを生成してください。
- Nextボタンをクリックすると以下のウインドウが表示されるでしょう。
既に設定した計算ホストはそのまま利用できますので、
Noボタンをクリックして下さい。
Figure 20: Reconfiguration Confirmation
- SCore Boot CDを用いて新しい計算ホストを設定して下さい。終了したら、Setup Server Hostボタンをクリックして下さい。
- 新しい計算ホストにサーバホストが入っている場合、サーバホストは必ずrebootして下さい。