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SCore 用語解説 |
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- AFS
- 元々は CMU で開発された分散ファイルシステムです。AFS は IBM
Transarc Lab の製品です。
http://www.transarc.com/index.html を参照してください。
- (PM) Agent
- PM/Agent は実際の通信を行うエージェントとなるプロセス
を利用するように実装された PM デバイス
です。現在のところ、UDP プロトコルを利用するエージェントがサポート
されています。
PM/Agent は ユーザレベル通信
ではありません。
- auto-negotiation (オートネゴシエーション)
- Ethernet の物理レイヤには、異なるスピード(10Mbps、100Mbps、
1Gbps)および方向(一方向または双方向)があります。ネットワークハードウェ
アはどのようにリンクするか接続の一番始めで互いに取り決め(ネゴシエー
ション)する必要があります。たいていの Ethernet ハードウェア(NIC またはハブ)にはオートネゴシエーション機能があり
ますが、時々ネゴシエーションに失敗し、接続の仕方が一致していない状態
が起こることがあります。この場合、通信性能が仕様よりはるかに低下して
しまいます。この状態を避けるには、ユーザは手動で接続の設定を行う必要
があります。
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- binary type (バイナリタイプ)
- プロセッサの種類およびホスト OS を区別するための一意な記号。
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- C-Area
- C-Area は SCore-D プロ
セスとユーザ並列プロセス中のユーザプロセスとの System-V 共有メモリ領
域です。ユーザプロセスが fork されると、ノード番号やノード数、
PMv2 コンテキスト情報などのユーザプロセスを初期化するためのす
べての情報が C-Area を介して渡されます。C-Area は
ユーザプログラムが SCore-D へシステ
ムコールを行う際にも使用されます。
- (PM) channel (チャネル)
- PM チャネル は仮想化されたネットワークです。PMv2
では、物理ネットワークはソフトウェアによって多重化されます。多重化さ
れたそれぞれのネットワークが (PM) チャネル と呼ばれます。
- cluster (クラスタ)
- ネットワーク接続されたコンピュータ。SCore では、クラスタは同種のコンピュータからなります。
- cluster of clusters (クラスタのクラスタ)
- ネットワーク接続された クラスタ です。
SCore では、クラスタのクラスタは異なる種類のクラスタから構
成することができます。
- compute host (コンピュートホスト、計算ホスト)
- クラスタ を構成する ホスト です。
- cluster host (クラスタホスト)
- コンピュートホスト の項を参照してください。
- (PM) Composite (コンポジット)
- PM/Composite デバイスは実際のネットワークデバイスではあ
りません。PM/Composite はルーティングテーブルに従い、通信要
求を他の実際の PM デバイス にフォワードを行います。独自の
PM/Composite を持つことによって、ユーザは任意の PM デバイス を組み合わせることができ
ます。また、PM/Composite はスレッドセーフであるよう設計され
ていますが、他の実際の PM デバイス はそのように設計されてい
ません。通信要求がフォワードされた際、PM/Composite は他のス
レッドからの要求を受け付けないようにロックします。従って、SCore-D は二つ以上のノード上で動作して
いるユーザ並列プロセスには常に一つの PM/Composite
デバイスと他の PM デバイス を割り当てます。
- (PM) configuration file (コンフィギュレーションファイル)
- PM デバイス のコンフィギュレー
ションに必要なファイルです。コンフィギュレーションファイルのフォーマッ
トは PM デバイス ごとに決まってい
ます。
- (PM) context (コンテキスト)
- PM チャネル状態を表す状態の集合です。
- co-scheduling
- Ousterhout によって 1982 年に提唱されたマルチプロセッサ用のスケ
ジューリング技法です。co-scheduling では、並列プロセス 中の
いくつかまたはすべてのプロセスのコンテキストスイッチが、より高い効率
を得るために同期されます。ギャングスケジュー
リング も参照してください。
- COW
- COW は Cluster Of Workstations (ワークステーションのクラスタ)の略です。
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- deadlock detection (デッドロック検出)
- デッドロックの検出は SCore-D の
最も特徴的な機能の一つです。SCore-D
はユーザ並列プロセスのデッドロックを検出することができます。
SCore-D はデッドロック以外の状態も検
出することができます。並列プロセス中のすべてのプロセスがメッ
セージの到着待ちをしているような状態も検出できます。厳密に言うと、リ
ソースに関する争いが起こっているわけではないので、このような状態はデッ
ドロックではありません。ここで 'デッドロック' という語を使っているの
は、並列計算が進行しないという状況をユーザに思い浮かばせるからです。
他のノードへのメッセージが全くなく、並列プロセス中に busy
なプロセスがない、という状態がこれにあたります。SCore-D は複数のコンテキストスイッチ(ギャングスケジューリング)が行われるたび
にこのチェックを行います。
- (PM) device (デバイス)
-
同一の PM API を持ついくつかの PM デバイス があります。現在は、
PM/Etherner、
PM/Myrinet、
PM/Shmem、
PM/Agent、
PM/RHiNET、および
PM/Composite の 6 つのデバイスが開発されています。
- (SCore-D) device (デバイス)
-
SCore-D デバイス は実際には物理デバイスではなく、C で記述さ
れた Unix の逐次プロセスです。従って、ユーザは独自のデバイスを開発し、
それを SCore-D にアタッチすることが
できます。この SCore-D デバイス は SCore-D の特徴
的な機能のひとつです。SCore-D デバイス を使うことで、ユーザ
並列プログラムはデバイスを通した I/O 待ちをブロッキング方式で行うこ
とができます。SCore システムのあるユーザは、WWW からの要求
を受け付けるクラスタ上で動作するサーバを開発しました。また、そのユー
ザは CGI プログラムからの要求を受け付ける SCore-D デバイス
も開発しました。クラスタ上で動いているサーバは要求を待ちます。要求の
ない間は、サーバ並列プロセスはブロックしています。要求が届
くと、サーバ並列プロセス は動き出し、他のユーザの並列プ
ロセスと TSSS されます。このように、
クラスタはサーバとプログラム開発とに同時に使用することができます。
- DMA
- DMA は Direct Memory Access の略です。メモリ領域または I/O デバ
イスと、メモリ領域との間でデータ転送を行うためのメモリコピーハードウェ
アです。多くの場合、DMA は I/O とのデータ転送に用いられます。一般に
DMA のセットアップには CPU によるメモリコピーよりも長い時間がかかり
ますが、DMA のほうがより高いコピーバンド幅を実現することができます。
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- (PM) Ethernet
- PM/Ethernet は Ethernet NIC 用の PM デバイス です。10Mbps、100Mbps お
よび 1Gbps の任意の NIC をサポートしています。高
性能と高いポータビリティを可能にするため、PM/Ethernet は独
特な方法で設計されています。小さなカーネルパッチを当て、IP (Internet
Protocol) パケットと PM/Ethernet パケットを区別するようにし
ます。これにより、IP パケットは IP プロトコルレイヤで処理され、
PM/Ethernet パケットは PM/Ethernet ドライバで処理
されるようになります。このため、Ethernet NIC は
IP および PM/Ethernet パケットの両方に用いることができます。
PM/Ethernet は UDP や TCP 通信に比べ高い性能を実現していま
す。また、ネットワークトランキングを
サポートしています。PM/Ethernet は Ethernet の MAC アドレ
スを直接扱うため、PM/Ethernet パケットのルーティングを指
定する方法はありません。ルーティングを行う場合には、PM/Agent を使用してください。
PM/Ethernet は ユーザレベル通信
ではありません。
- EIT
- EIT は SCore クラスタシステム を GUI で簡単にインストー
ルするための Easy Installation Tool(イージーインストレーションツール)
の略です。Linux でのインストールに慣れていない
方のために設計されました。
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- FEP
- FEP は Front End Process(フロントエンドプロセス)の略です。scrun は FEP です。
- FQDN
- FQDN は Full Qualified Domain Name の略です。例えば、
pccluster.org は FQDN です。Unix の
hostname(1)
コマンドはホスト名を FQDN で出力します。scorehosts.db ファイルや PM コンフィギュレーションファイル に記述す
るホスト名には適切な FQDN が伴っていなければなりません。
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- global clock (グローバルクロック)
- PMv2 にはグローバルに同期したクロックをサポートするための
API 関数がいくつかあります。しかし、これらの関数はクロックを備えた
PM デバイス でのみ有効です。現在は
Myrinet NIC だけがこのよう
なクロックを備えています。SCore-D は
PMv2 を介して NIC のクロックを定期的に同期
させます。これにより、ユーザプログラムはクロックの値を読み込んで利用
したりすることができます。しかし、分散環境の特質のため、各クロックは
完全にではなく矛盾のないように同期されます。これはクロックの若干の食
い違いは起こりますが、その違いに気づくことはないということを意味しま
す。さらに、クロックの同期は最善の努力で行われますが、SCore-D は整合性を保証しません。
- gang scheduling (ギャングスケジューリング)
- 並列プロセス中のすべてのプロセス切り替えを同期する時分
割スケジューリング技法です。この方法では、細粒度な並列プログラムにお
いても実用的な時分割スケジューリングが行えます。SCore-D では、ユーザ 並列プロセス
はギャングスケジューリングされます。co-scheduling の項も参照してください。
- global time stamp
- グローバルクロック の項を参照してください。
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- host (ホスト)
- 固有のホスト名を持つコンピュータ。
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- idle flag (idle フラグ)
- メッセージの到着をポーリングによって待っているプロセスの状態を
idle なのか busy なのか区別するのは困難です。これは ユーザレベル通信 を使用する並列プログラ
ムの典型的な問題です。C-Area 中の
idle フラグ は SCore-D がユー
ザプロセスの状態を得るために用いられます。MPICH-SCore または MPC++/ULT の
ような並列ランタイムライブラリはこのフラグを適切に設定します。SCore-D は 並列プロセスがデッ
ドロックしているのかどうか決定したり、ユーザプロセスの状態を ロードモニタ を介して表示したりする
ためにこの情報を利用します。
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- LANai (processor)
- Myrinet NIC をコントロールするために Myricom が開発した特殊目的プロセッサです。
- Linux
- Linus Torvalds によって開発された最もポピュラーな Unix ライクな
オペレーティングシステムです。(RedHat、
Suse、Turbo
Linux など)いくつもの会社が Linux をソフトウェアパッケージとして
配布しています。http://www.linux.org/ も参照してく
ださい。
- Loadmonitor (3D) (ロードモニタ)
- SCore-D は定期的に idle フラグ をサンプリングし(デフォル
トの設定では 200ミリ秒)、その状態が FEP ホスト上の ロー
ドモニタ プログラムを介してグラフィカルに表示されます。現在 SCore-D は idle フラグ と
PMv2 ステータスの二つの状態を各ノードからサンプリングします。
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- Mesa
- OpenGL のような API をサポートしている 3-D
グラフィックライブラリです。
http://www.mesa3d.org/ を参照し
てください。
- Messageboard
- Messageboard は クラスタホスト をロックするためのサーバです。
- MTTL
- MTTL は Multi-Thread Template Library(マルチスレッドテ
ンプレートライブラリ)の略です。MTTL はマルチスレッド用の C++ テンプ
レートライブラリです。MTTL は MPC++ の一部です。
- MPC++
- マルチスレッド化した C++ です。MPC++ は「Multi-Thread, Meta-Programming or Massively Parallel C++」の略です。MPC++ は二つの独特の機能を持っています。一つは C++ のテンプレートを用いて実装されたマルチスレッド機能で、MTTL と呼ばれます。もう一つはメタレベルアーキテクチャです。MPC++ メタレベルアーキテクチャは C++ の構文の複雑さのためにまだ開発途中です。
- MPI
- MPI は Message Passing Interface(メッセージパッシングインタフェー
ス)の略です。
http://www-unix.mcs.anl.gov/mpi/ も参照してください。
- MPICH
- Argonne National Laboratory で開発された MPI のリファレンス実装です。
http://www-unix.mcs.anl.gov/mpi/mpich/ も参照してください。
- MPICH-SCore
- SCore クラスタシステムソフトウェア 用に移植された MPICH です。
- Myricom
- http://www.myri.com/ を参照してください。
- Myrinet
- Myricom が開発した毎秒ギガビットクラスのネットワークです。
- (PM) Myrinet
- PM/Myrinet は Myrinet NIC を用いる PM デバイス
です。PM/Myrinet は一番最初に開発された PM デバイス であるため、非常によくチュー
ンされており、安定していて、最も多くのオプション操作を提供しています。
PM/Myrinet は ユーザレベル通信
です。
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- network preemption (ネットワークプリエンプション)
- ユーザレベル通信 では、ユーザプロ
グラムは高性能を得るために ハードウェア にアクセ
スすることができます。しかし、マルチプログラミング(複数ユーザ)環境で
は、ハードウェアへの直接アクセスを禁止するか、プロセス切り替え時にハー
ドウェアの状態の保存および復元を行わなければなりません。SCore-D と PMv2 は後者の処理を共同で行います。この方法を
SCore では ネットワークプリエンプション と呼びます。
- network interleaving (ネットワークインターリン
ビング)
- SCore-D は複数のネットワークを相手先によ
り使い分け、より高いバイセンクションバンド幅を確保する、ネットワーク
インタービングをサポートしています。
- network trunking (ネッ
トワークトランキング)
- PM/Ethernet は複数の Ethernet を束ね、
より高いバンド幅を実現するネットワークトランキングをサポートしていま
す。
- NFS
- 最も広く利用されている分散ファイルシステムです。
- NIC
- NIC は Network Interface Card の略です。一般に、NIC は I/O バス(例えば PCI)スロットに接続するインタフェースボードです。
- node (ノード)
- 通信を行う独立体です。各ノードは互いにノード番号(正の整数)で区別されます。MPI では、ノード番号は "rank" と呼ばれます。
- NOW
- NOW は Network Of Workstations の略です。
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- Omni
- RWCP で開発された OpenMP コンパイラです。Omni は SMP 並列プログラミ
ング環境だけでなく、クラスタのような分散メモリ並列プログラミング環境
をもサポートします。
- OpenGL
- OpenGL は広く利用されている 3-D グラフィックライブラリです。http://www.opengl.org/ も参照して
ください。
- OpenMP
- OpenMP は SMP プログラミング環境です。http://www.openmp.org/ も参照して
ください。
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- page coloring (ページカラーリング)
- プロセッサがセットアソシアティブキャッシュを持っている場合、同じ
アドレスビットパターンを持つメモリページは同じキャッシュエントリにキャッ
シュされますが、エントリが溢れた場合にはキャッシュミス率が増加してし
まいます。ページカラーリングはこのような状況を避けるための技法です。
各メモリページにビットパターンに対応した色をつけ、できる限り違う色の
ページを割り当てるようにします。SCore クラスタシステムソフトウェ
ア には、ページカラーリング用のカーネルパッチが含まれています。
- parallel job (並列ジョブ)
- SCore クラスタシステムソフトウェア では、並列ジョブは
並列プロセス の集合を意味します。しかし、並列ジョブスケジュー
リング研究会では、並列ジョブは並列計算を行うプロセスの集合を意味しま
す。
- parallel process (並列プロセス)
- 並列プロセスはお互いに通信を行い並列計算を行う Unix プロセスの集
合です。
- PBS
- PBS は Protable Batch System の略であり、当初、米国 NASA において
開発されたジョブスケジューリングシステムです。 http://pbs.mrj.com を参照してくださ
い。
- PCC
- PCC は PC Cluster(PC クラスタ)の略です。
- pin-down cache (ピンダウンキャッシュ)
- PM の ピンダウンキャッシュは ロックされたメモ
リページを保持する一種のキャッシュで、メモリページをロックするオーバ
ヘッドを減らします。リモートメモリアクセス
も参照してください。
- PM
- Myrinet 専用の低レベル通信ライブラリおよ
びデバイスドライバです。PM は SCore クラスタシステ
ムソフトウェア Version 2.X で使用されていました。PMv2 の項も参照してください。
- PMv2
- PMv2 は多種のネットワークデバイスをサポートする低レベル高
性能通信ライブラリ用 API の名前です。PM という名前には特に
意味がありませんが、名前の由来に関しては "PM ライブラリの記述は午後
だけに行われた" というジョークがあります。PM デバイス の項も参照してください。
- PMv2
- PM の項を参照してください。
- PM/Agent
- (PM) Agent の項を参照してください。
- PM/Composite
- (PM) Composite の項を参照してください。
- PM/Ethernet
- (PM) Ethernet の項を参照してください。
- PM/Myrinet
- (PM) Myrinet の項を参照してください。
- PM/RHiNet
- (PM) RHiNET の項を参照してくだ
さい。
- PM/Shmem
- (PM) Shmem の項を参照してください。
- PM/UDP
- SCore 3.2 からは PM/UDP は PM/Agent として実現されるようになりま
した。(PM) Agent の項を参照してくだ
さい。
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- RedHat Linux
- Linux ディストリビューションの一つです。http://www.redhat.com/ を参照して
ください。
- (PM) RHiNET
- RHiNET はRWCP Hight-performance NETwork の略であり、
RWCP で開発された高性能ネットワークです。
- (PM) remote memory access (リモートメモリアクセス)
- PMv2 は ゼロコピー通信 を行
うためのいくつかの方法をサポートしています。PMv2 では、ゼロコ
ピーを用いた通信技法を リモートメモリアクセス と呼びます。
ゼロコピー通信は NIC の DMA を
利用するため、DMA を行う前にメモリページをロック
し、メモリ領域の物理アドレスが同じ論理アドレスに固定されているように
します。これは Linux のような最近のほとんどの OS がメモリページを物
理メモリとディスクとの間で swap を行うために必要となります。メモリ領
域のロックおよびアンロックは OS によって行われなければならず、コスト
のかかる操作となっています。メモリロックのオーバヘッドを削減するため、
PMv2 は ピンダウンキャッシュ
と呼ばれる、ロックされたメモリページの一種のキャッシュを備
えています。
- RPM
- RPM は Red hat Package Manager の略です。Unix の rpm(8) man ページまたは http://www.rpm.org/ を参照してください。
- RWCP
- RWCP は Real World Computing Partnership/Project の略です。RWCP
は通商産業省により 1992 年に設立された 10 年プロジェクトです。
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- SCASH [エスキャッシュ]
- SCore クラスタシステム のソフトウェア分散共有メモリシス
テムです。SCASH は Omni のラン
タイムライブラリでもあり、分散メモリのクラスタ上で共有メモリプログラ
ミングを可能にします。
- Scoop
- クラスタホスト をモニタリングするた
めのツールです。
- SCore [エスコア]
- SCore は System CORE の略です。当初、SCore は並列オペレー
ティングシステムの名前でしたが、現在ではクラスタシステムソフトウェア
の名前になっています。
- SCore-D
[エスコアディー]
- SCore-D は並列オペレーティングシステムのユーザレベル(デー
モン)実装の名前でした。現在はクラスタオペレーティングシステムの名前
になっています。
- scored (scout コマンド)
- scored scout コマンド は
SCore-D を複数ユーザモードで実行する
ために用います。
- Scoreboard
- クラスタまたはクラスタのクラスタを形成するためのすべての情報を保
持するデータベースプログラムです。
- scorehosts.db
- scoreboard の使用するデフォルトのデータベースファイルの
名前です。
- Scout
- Scout は Unix コマンドを SIMD 風に並列実行させたり SCore-D を起動したりするためのリモート
シェル実行環境を提供します。
- scout command (scout コマンド)
- scout コマンド は scout 環境 内でのみ有効な特
殊コマンドです。現在は scout、scrun、および scored が scout コマンド
にあたります。scout が scout 環境 の外側で呼
び出された場合、それは scout 環境 を作成するための通常のユー
ザコマンドになります。scout が scout 環境 内で
scout コマンド として呼び出された場合は、現在の scout
環境 が正常に動作しているかどうかをチェックします。
- scout environment (scout 環境)
- scout 環境 は scout コマンドによって作成される
仮想化された(サブ)クラスタです。scout 環境 内では、ユーザは
ローカルホストと クラスタホスト を透過的
に利用することができます。他のユーザと干渉しないよう、scout は messageboard を介して クラスタホスト をロックします。
- scrun (コマンド)
- scrun コマンド はクラスタ上でユーザ並列プログラムを実行
します。scrun コマンド が scout 環
境 内で scored オプションを付けずに scout コマンド として呼び出された
場合は、シングルユーザモードの SCore-D 上でユーザ並列プログラムを実行
します。scrun コマンドが scored オプション付きで呼
び出された場合には、scrun コマンドが呼び出された scout
環境 とは関係なく、scored オプションで指定された複数ユー
ザモードの SCore-D 上で並列ジョブを
実行させます。どちらの場合でも、呼び出された scrun プロセス
は FEP プロセスと呼ばれます。
- server host (サーバホスト)
- クラスタ用にサービスや情報を提供する ホスト
です。通常、messageboard サーバと scoreboard サーバが サーバホスト
上で実行されています。
- shadow process (シャドウプロセス)
- 通常、ユーザプロセスが終了すると、そのプロセスが使用していたメモ
リページは解放され再利用されます。ユーザプログラムが ゼロコピー通信 を利用している場合、NIC が DMA を用いてパケットをプロ
セスのアドレス空間にコピーしている間にプロセスが終了すると、メモリペー
ジは解放され再利用されたのに NIC の DMA がまだ動作中であるという状況が起こりえます。結果
として、再利用されたメモリの内容は DMA によって破
壊されてしまいます。SCore ではこれを避けるため、
SCore ランタイムが Linux の
clone(2)
システムコールを用いてプロセスを fork し、並列
プロセス全体が終了するまでメモリページが再利用されないようにします。
この複製されたプロセスをシャドウプロセスと呼びます。
- (PM) Shmem
- PM/Shmem は PM デバイス
です。PM/Shmem は NIC を使用せ
ず、SMP ホスト 内のプロセスが共有されたメモリマップトセグメ
ントを介して互いに通信できるようにします。PM/Shmem に関連付
けられた Unix のスペシャルデバイスを用い、コピーの少ない通信を可能に
し、高い通信性能が得られるようにしています。
- SMP
- SMP は Symmetric Multi-Processor(対称型マルチプロセッサ)の略です。
SCore の scorehosts.db
ファイル内の各ホストレコードには smp 属性を記述する必要があ
ります。smp 属性の値は ホスト
内のプロセッサの数でなければなりません。
- SuSE Linux
- Linux ディストリビューションの一つです。http://www.suse.com/ も参照してくだ
さい。
- (SCore-D) systemcall (システムコール)
- たいていのオペレーティングシステムにシステムコールがあるように、
SCore-D クラスタオペレーティングシス
テムにもいくつかのシステムコールがあります。
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- Time Slice (タイムスライス)
- プロセス切り替えを行う間隔です。SCore-D では、タイムスライスは ギャングスケジューリング の間隔となりま
す。
- TSSS
- TSSS は Time Space Sharing Scheduling(時空間分割スケジュー
リング)の略です。SCore-D は 並列
ジョブ をバイナリバディ方式でまとめ、ジョブは空間分割および時分
割(ギャングスケジューリング)方式でス
ケジューリングされます。
- Turbo Linux
- Linux ディストリビューションの一つです。http://www.turbolinux.com/ を
参照してください。
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- ULT
- ULT は User-Level Thread もしくは Ultra Light Thread の
略です。 ULT は MTTL 用マルチ
スレッドランタイムライブラリです。SCore-D は ULT を用いて MTTL で記述されています。
- user-level communication (ユーザレベル通信)
- 今日では、NIC はどんどん高速化し、通信レイテ
ンシはおよそ 10 マイクロ秒以下になっています。そのため次第に通信ソフ
トウェアのほうがボトルネックとなってきました。 ユーザレベル通信はソ
フトウェアオーバヘッドを削減するための技法として開発されました。ユー
ザレベル通信では、ユーザプログラムはなんらかのシステムコールを用いる
ことなく、NIC ハードウェアへ直接アクセスすること
ができます。メッセージの到着はポーリングによって調べ、割り込みは禁止
されます。これらの方法により、ユーザレベル通信では、最近の高速な
RISC プロセッサではコストのかかる操作であるシステムコールや割り込み
を避けるようにしています。
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- WSC
- WSC は WorkStation Cluster(ワークステーションクラスタ)の略です。
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- zero-copy communication (セロコピー通信)
- メモリ領域を I/O へコピーするのはコストのかかる操作です。より高
い通信性能を得るためには、コピーをなるべく避けることが必要と考えられ
てきました。メッセージのコピーを避けるため、NIC
の DMA が利用されています。この技法をゼロコピー通
信と呼びます。PMv2 では、いくつかのゼロコピー
通信機能が リモートメモリアクセス として
サポートされていますが、この技法がいつも有効であるわけではありません。
今日でも DMA より高いバンド幅を得られるプロセッサ
もあります。また、DMA エンジンのセットアップには無視できないほどの時
間がかかります。ゼロコピー通信がアプリケーションの性能に必ずしも寄与
するわけではないことに注意してください。
- (SCore) zombie process ((SCore) ゾンビプロセス)
- SCore-D が終了しても、ユーザ並列
プロセスのプロセスが存在し続ける場合があります。これは
SCore-D がなんらかの理由でクラッシュした場合に起こります。
Unix では、ゾンビプロセスはほとんど害をなしません。しかし、SCore
ゾンビプロセス は PM デバイス
を保持し続けるため、ホラー映画のゾンビのごとく SCore-D に害を与えます。
- CREDIT
- This document is a part of the SCore cluster system software
developed at PC Cluster Consortium, Japan.
Copyright (C) 2003 PC Cluster Consortium.