紹介
SCore Cluster System Software はワークステーションおよび
PC クラスタ用の高性能並列プログラミング環境です。
このリリースは、新情報処理開発機構 (RWCP)
・並列分散システムソフトウェア
での並列・分散コンピューティングに関する現在進行中の研究成果のスナップショット
です。
SCore クラスタ システム ソフトウェアが世界中の並列・分散システムの研究に
貢献することを期待して、このパッケージをリリースしました。
SCore バージョン 3.1 は以下の特徴をサポートします:
- 単一システムイメージ
SCore 3.1 を使うことで,ユーザはシステムがシングル/マルチプロセッサ
コンピュータのクラスタなのか、複数のクラスタからなるクラスタなのか、
といった事を知る事はありません。
並列アプリケーションと通常の UNIX コマンドがクラスタ上のコンピュータ ノード
グループを指定することで実行するでしょう。
UNIX コマンドは SIMD 実行スタイルで実行されます。
- 多重ネットワークのサポート
PM II 高性能通信ライブラリは、多くの種類のネットワークで使用可能な
クラスタコンピューティング専用の通信ライブラリです。
PM II は異なった種類のネットワーク上でプログラムが通信することを可能にします。
Myrinet、Ethernet、UDP、Shmem 共有メモリインターフェース用の PM II ドライバが
実装済みです。
- シームレスなプログラミング環境
Hmake コマンドは異種のコンピュータ上でプログラムをコンパイルする
ことを可能にします。
それは Intel Pentium と Compaq プロセッサといった異なったアーキテクチャに
基づいた実行環境用のバイナリを生成します。
MPC++ Multi-Threaded Template Library を用いることで、
このような異種混在プロセッサ環境でプログラムが実行できます。
- 異種混在プログラミング言語
MPC++ Multi-Threaded Template Library (MTTL) で書かれたプログラムは、
コードを変更することなく、単一種コンピュータ環境だけでなく、
異種混在コンピュータ環境でも動作させることが出来ます。
- 多重プログラミング パラダイム
他のクラスタ ソフトウェアと異なり、SCore バージョン 3.1 はメッセージパッシング
パラダイムだけでなく、共有メモリ並列プログラミング パラダイムや、
マルチスレッド並列プログラミング パラダイムもサポートします。
- 並列プログラミングのサポート
- リアルタイム プロセス活動モニタ
SCore-D はリアルタイム ロードモニタを用いることで並列プロセスの活動を
リアルタイムに見ることを可能にします。
リアルタイム ロードモニタの各棒グラフは各ノードでのプロセッサの利用率を
表します。
- デッドロックの探知
SCore-D は並列プロセス全体の状態、すなわち各プロセスの状態と通信バッファの
状態を知っているので、並列プロセスがデッドロックに陥っているかどうかを
検出することが出来ます。
- 自動的なデバッガのアタッチメント
大抵のクラスタシステムでは、プロセスが死ぬと対話的にデバッガを呼び出す
機会がありません。
SCore では、例外シグナルが検地されると対象となる並列プロセスに gdb(1)
デバッガをアタッチメントします。
- フォルトトレランス
- プリエンプティブ チックポイント
チェックポイント機能を有効にするために、SCore チェックポイント機構は
追加の API を要求したり、特定の並列言語を想定したりはしません。
ユーザ並列プロセスのイメージはユーザの指定した間隔ごとにチェックポイントの
ためにローカルのハードディスクに保存されます。
- 並列プロセスの移動
チェックポイント機能を利用することで、並列プロセスは SCore の
コンピュータの別のグループに移動することが出来ます。
- 柔軟なジョブスケジューリング
プロセッサのリソースを有効利用し、インタラクティブなプログラミング環境を
可能にするために、SCore-D グローバル オペレーティングシステムは
プロセッサの空間および時間領域で同時に並列プロセスを多重処理します。
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