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PC クラスタワークショップ in 京都
| 2008年7月24日(木)- 2008年7月25日(金) |
芝蘭会館 稲盛ホール |
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開催趣旨
このたび、京都大学学術情報メディアセンターの共催を得て、
来る7月24日、25日の二日間、京都地区にてPCクラスタ
ワークショップを開催する運びとなりました。
京都大学で稼働を開始したT2Kオ−プンスパコンの見学会も企画して
おります。最新のクラスタ情報が得られるまたとない機会です!
初日は、クラスタの入門として、理化学研究所の青山幸也先生
にクラスタ上の並列プログラミングの初歩を講演して頂きます。
2日目は、理化学研究所高田俊和先生に次世代スパコンの
アプリケーションについての講演を、京都大学学術情報
メディアセンター副センター長の中島浩先生にセンターに
おける研究開発や今年導入した最新のオープンスーパー
コンピュータ見学を含む施設の紹介を、また、富士通研究所
の成瀬様にオープンスーパーコンピュータのLinpack性能に
ついて講演していただきます。
PCクラスタを取り巻く最新の動向が満載です。
PCクラスタワークショップ in 京都は盛況のうちに終了致しました。
発表資料を順次掲載いたします。
掲載資料の無断転用・転載を禁じます。
プログラム
7月24日(木)
- 9:30 - 9:40 オープニング
- 田中 光雄 (株式会社日立製作所)
- 中島 浩 (京都大学)
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- 9:40 - 12:15 MPI並列プログラミング入門1
- 青山幸也 (独立行政法人理化学研究所)
- PCクラスターなど分散メモリー型の並列計算機用に
プログラムを並列化する方法について説明します。
- 通信ライブラリーMPIの主な関数の使い方
- プログラムを並列化する際の考慮点
下記の「並列プログラミング入門 MPI版」(当日配布)を使用します(5章は割愛)。
http://accc.riken.jp/HPC/training/text.html
並列化の知識は不要ですが、Fortranの基本的な知識が必要です。
- 12:15 - 13:00 昼休み
- 13:00 - 15:15 MPI並列プログラミング入門2
- 青山幸也 (独立行政法人理化学研究所)
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- 15:15 - 15:30 コーヒーブレーク
- 15:30 -18:00 MPI並列プログラミング入門3
- 青山幸也 (独立行政法人理化学研究所)
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7月25日(金)
- 10:00 - 10:10 ごあいさつ
- 石川 裕 (東京大学)
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- 10:10 - 10:50 次世代スーパーコンピュータが拓く計算化学の新世界
- 高田 俊和 (独立行政法人理化学研究所)
- 量子力学の誕生以来、分子の化学的性質を計算から予測することを目的として、
多くの量子化学者が、新理論の構築やプログラム開発に努力してきた。
非経験的分子軌道法は本質的に膨大な演算量を必要とするため、
ベクトル機やPCクラスタの出現に呼応して、高速化技法が数多く考案されており、
計算できる分子の大きさや種類が増大の一途を辿っている。
このような中、理化学研究所が開発している次世代スーパーコンピュータが、
今後の計算化学の分野に何をもたらすか、
基礎研究と産業利用の両面から、本講演では概観する。
- 10:50 - 11:20 T2KスパコンでLinpackを測る 発表資料
- 成瀬 彰 (株式会社富士通研究所)
- 2008年6月に公開された最新のスパコンランキング(TOP500リスト)において、
富士通が構築した京都大学様のT2KオープンスパコンはLinpack性能で
50.5TFLOPS(効率82.5%)を記録し、34位にランクインしました。
T2KオープンスパコンのようなPCクラスタシステムで高いLinpack性能を出すポ
イントである、高性能計算ライブラリ、高速ネットワーク、マルチコアNUMA対
応に関してお話します。
- 11:20 - 11:40 京大新スパコンシステム紹介 発表資料
- 中島 浩 (京都大学)
- T2Kオープンスパコンを中心とする京都大学学術情報メディアセンターの
新スパコンシステムは、2008年6月2日に稼動を開始し、
同時に全てのユーザに対するサービスを開始した。
本講演ではまず、新システムのハードウェアとソフトウェアの構成を概説し、
併せて主要な性能指標を紹介する。
また新システムに合わせて導入した新たな課金・運用の方針と、
そのためのジョブスケジューリング機能を紹介し、
実際の運用状況についても報告する。
- 11:40 - 12:00 移動, 休憩
- 12:00 - 12:30 京都大学新スパコンシステム見学会 1
見学会場: 京都大学総合研究5号館
見学される方は総合研究5号館玄関ホールにおいでください。
- 12:30 - 13:20 昼休み
- 13:20 - 13:50 京都大学新スパコンシステム見学会 2
見学会場: 京都大学総合研究5号館
見学される方は総合研究5号館玄関ホールにおいでください。
- 13:50 - 14:10 移動, 休憩
- 14:10 - 14:40 SCore 入門 発表資料
- 原田浩 (日本ヒューレット・パッカード株式会社)
- SCoreは、PCCCが研究開発し、オープンソースとして無償配布しているクラスタ計算
機用実行環境です。
MPIなど並列プログラム実行環境だけでなく、独自の高性能ネットワークプロトコル
や耐障害機能など
HPC向けクラスタ計算機に必要とされる機能が実装されています。 クラスタ計算機
の導入を検討されている方を対象に、SCoreの開発経緯、ソフトウェア構成、
動作環境、特徴から実運用に至るまでをご紹介させて頂きます。
- 14:40 - 15:00 SCore7 の概要 発表資料
- 堀 敦史 (Allinea Software)
- SCore の開発の歴史で最も大きな改変となる SCore 7 の概要に
ついて発表します。
- 15:00 - 15:45 企業発表1
- 15:00 - 15:15 HPC at Intel
- 石川 達郎 (インテル株式会社)
-
- 15:15 - 15:30 最新 CPU ロードマップアップデート
- 山野 洋幸 (日本 AMD 株式会社)
- HPCマーケットから高い支持を受けている、AMDの最新のCPU・グラフィックステクノロジについてご紹介いたします。
また合わせてAMDのグリーンIT、エコへの取り組みをご紹介いたします。
- 15:30 - 15:45 リアルタイムシミュレーションのためのGPUクラスタ
- 菊川 孝明 (三菱プレシジョン株式会社) 発表資料
- 我々は、リアルタイム物理シミュレーションのため低価格な高速演算基盤の構築を行っている。
SCoreによる並列化と共に、GPUを用いた数値計算の高速化を図り、
かつ専用H/Wを使った画像転送によるネットワーク負荷軽減の結果、
生体の変形シミュレーションを実時間で実施可能と
したGPUクラスタについて報告する。
- 15:45 - 16:00 コーヒーブレーク
- 16:00 - 17:45 企業発表2
- 16:00 - 16:15 アックスの SCore クラスタ Linux の取り組みなど 発表資料
- 竹岡 尚三 (株式会社アックス)
- AXEはインターネット家電や自動車に必要な基本ソフトウェア及び、
サーバ技術を開発提供し、また、それらの開発サポート、
コンサルテーションを行います。
今回はSCoreベースの64ビットクラスタOS「axLinux雷神」とSCoreにかかわる
サービスのご紹介を行います。
- 16:15 - 16:30 並列プログラミングツール 発表資料
- 堀 敦史 (Allinea Software)
- 弊社の並列プログラミングツールである DDT 並列デバッガと OPT 最適化ツールについてご紹介いたします。
- 16:30 - 16:45 NEC の HPC への取り組みとPCクラスタ戦略 発表資料
- 島本 浩樹 (日本電気株式会社)
- NEC の HPC への取組みと、6月に発表しました最新の省電力サーバ「ECO CENTER」を含めた NEC の PC クラスタ製品を紹介いたします。
- 16:45 - 17:00 日本 HP の HPC 向けPCクラスタへの取り組み 発表資料
- 服部 政洋 (日本ヒューレット・パッカード株式会社)
- 日本HPにおけるHPC向けPCクラスタの取り組みをご紹介します。 PCクラスタビジネスにどのように貢献し、ビジネスを拡大していくかについてご説明します。
- 17:00 - 17:15 日立のテクニカルコンピューティングへの取り組み 発表資料
- 清水 正明 (株式会社日立製作所)
- 日立製作所の HPC への取り組みと、東京大学殿にお納めした
ハイパフォーマンスサーバ「HA8000-tc/RS425」についてお話します。
ノードは AMD Opteron 2.3GHz を 4chip 搭載し最大 147.2GFlops の性能を発揮し、
さらにノード間を Myri-10G ネットワークで接続することで高効率の
並列計算を可能にしています。
ピーク性能は 952 ノードで 140TFlops、
Linpack 性能測定では 768 ノードを用いて82.98TFlopsを達成しました。
- 17:15 - 17:30 PCクラスタでのセンタ運用に向けた富士通の取り組み
- 平井 浩一 (富士通株式会社)
- 近年、HPCクラスタシステムにおいて、センタで運用管理するノード数が
飛躍的に増加し,利用されるプロセッサも汎用プロセッサを用いたシステムが
多くなってきています.そのため,大規模ノードをセンタ運用で効率良く管理する
方法や,汎用プロセッサシステムの特徴にあわせたカスタマイズ機能が求められ
ております.
このような課題の解決に向け、富士通が提供しているセンタ運用に向けた機能
などについてご紹介いたします.
- 17:30 - 17:45 スケジューラ Condor の最新機能 発表資料
- 西 克也 (株式会社ベストシステムズ)
- 今年5月にウィスコンシン大学で恒例のCondor Weekが開催されました。その際
に開発チームより発表されましたCondorの最新機能についてご紹介いたします。
- 17:45 クロージング
- 18:00 - 懇親会 (会費 1000 円)
25 日の昼に 2 回に分けて京都大学学術情報メディアセンターの 新スパコンの見学を行います。
場所は 京都大学総合研究5号館 です。
見学を希望する方は事前登録の際に見学と希望する時間を選択してください。
なお、見学会場は講演会場より徒歩10分程度離れておりますので、
余裕を持って移動願います。