第七回PCクラスタシンポジウム
2007年12月13日(木)〜 14日(金)
秋葉原コンベンションホール 2F

主催:PCクラスタコンソーシアム
参加費:無料
定員:200名
http://www.pccluster.org/event/symp/2007

第七回PCクラスタシンポジウムは盛況のうちに終了致しました。 発表資料を順次掲載いたします。 掲載資料の無断転用・転載を禁じます。


開催趣旨

2001年10月に発足したPCクラスタコンソーシアムは、国内主要コンピュータベ ンダおよびPCクラスタのサポートビジネスを展開している企業、PCクラスタを 利用している大学、研究機関、個人などから構成される非営利団体です。 PCクラスタコンソーシアムは、日本発の高性能クラスタシステムソフトウェア SCoreの開発・支援を通して国内外のPCクラスタ市場の発展に貢献してきてお ります。 当コンソーシアム主催のPCクラスタシンポジウムでは、SCoreの最新情報のみ ならず、PCクラスタプラットフォームの最新情報をお届けし、また、ユーザの 皆様との交流の場を設けております。

第7回目のPCクラスタシンポジウムでは、最新のSCore版であるSCore 7の紹介、 PCクラスタに関するメンバ企業の取り組みの紹介に加えて、ペタフロップス時 代に向けて基幹サーバとしてのPCクラスタが直面しているアプリケーションや 新たな課題について将来を展望します。また、併設して企業展示が行なわれます。

今回は交通の便が良い秋葉原コンベンションホールでの開催となっております。 皆様の御参加をお待ちしております。

会場:秋葉原コンベンションホール

13日(木) テクニカルセッション

  • 9:30- 受付開始

  • 10:00 - 10:10 オープニング
    石川 裕 (東京大学)

  • 10:10 - 11:00 T2Kオープンスパコン ---設計思想とアーキテクチャ--- 発表資料
    中島 浩 (京都大学)
    筑波大・東大・京大の3大学では来年6月の導入を目指し、 新たな発想に基づくセンターマシンである「T2Kオープンスパコン仕様」 を共同策定した。本講演では、コモディティ技術をベースとした オープンなアーキテクチャを中心として、オープンソースのOS/ミドルウェアを ベースとしたソフトウェアスタックのオープン性、クラスタユーザも誘引する 幅広いユーザ層へのオープン性を加えた3つのオープンな設計思想についても述べる。

  • 11:00 - 11:50 High-throughput biology needs high-performance computing badly.
    森下 真一 (東京大学)
    笠原 雅弘 (東京大学)
    1977年、英国ケンブリッジ大学のサンガーが発明した DNA 配列解読技術は、多 くの改良を経て高速化され、今日の様々な生物種のゲノム解読に活かされてき た。一方 2004年に米国 NIH が開始した $1000 ゲノムプロジェクトは、サン ガー法とは別の革新的手法を生み出した。その結果、2006-7 年で 1台のDNA解 読器が生産する塩基数は 1〜2桁 あがってきている。我々は Opteron を搭載し たクラスター(200コア)でデータ処理を行っているが、現在の塩基解読量の上昇 傾向から外挿すれば、2010年頃には国内だけでも数万コアの並列計算機が必要 になると推測している。本講演では、この新しい応用例が必要としている並列 化の手法を紹介する。

  • 11:50 - 13:30 昼休み

  • 13:30 - 14:15 SCore 入門
    原田 浩 (日本ヒューレット・パッカード株式会社)
    SCoreは、PCCCが研究開発し、オープンソースとして無償配布しているクラスタ計算 機用実行環境です。 MPIなど並列プログラム実行環境だけでなく、独自の高性能ネットワークプロトコル や耐障害機能など多くの 特徴を有しています。HPC向けクラスタ計算機環境としてSCoreの導入を検討される 方を対象に、 SCoreの開発経緯、ソフトウェア構成、動作環境、特徴から実運用までをご紹介させ て頂きます。

  • 14:15 - 15:00 全てに新しい SCore 7 の概要 発表資料
    堀 敦史 (Allinea Software)
    現在開発が進められている SCore 7 では、これまでの SCore の特長を損ねずに、より幅広いネットワークへの対応、高性能化を目指し大幅な変更が予定されており、その概要について発表する。

  • 15:00-15:30 休憩

  • 15:30-17:00 パネル討論: 「HPCアプリにとってのPCクラスタの現状と今後」
    司会:佐藤三久 (筑波大学)
    パネリスト:
    岩田潤一 (筑波大学)
    笠原 雅弘 (東京大学)
    高木 亮治 (独立行政法人宇宙航空研究開発機構)
    池上 努 (独立行政法人産業総合技術研究所)
    概要:HPCアプリケーションから見たPCクラスタを (大規模SMPマシン、 ベクトルマシンなど他のプラットフォームとの比較論を含む) 技術的な 観点でHPCプラットフォームとして評価し、今後のPCクラスタの方向性を探る。

14日(金) 一般セッション

  • 9:30- 受付開始

  • 10:00-10:15 PCクラスタコンソーシアム紹介
    石川 裕(東京大学)

  • 10:15-11:45 PCクラスタプラットフォームの動向

    • 10:15-10:45 Intel products and technology for HPC
      Dr, David S. Scott (Intel Corporation)
      This talk will describe existing and near term Intel products for HPC systems, including the Stoakley and Caneland platforms, Intel Connects Cables, and Intel software. It will also describe research areas that may become products in the future.

    • 10:45-11:15 AMD の HPC マーケットへの取り組みと最新テクノロジアップデート
      山野 洋幸(日本AMD株式会社)
      AMDの最新CPUロードマップ、テクノロジとHPC(ハイパフォーマンスコンピュー ティング)マーケットへの取り組みについてご紹介いたします。特に今秋より出荷を 開始しておりますクアッドコア Opteron(tm) プロセッサを中心としたHPCマーケット における最新事例、および開発者向けツールなどについてのアップデートを予定して おります。

    • 11:15-11:45 Windows HPC Server 2008 で実現する High Productivity Computing 発表資料
      林 憲一(マイクロソフト株式会社)
      Windows HPC Server 2008 はこれから10年のIT基盤を支える Windows Server 2008 を ベースにした HPC 専用のOSおよびツール群であり、大規模クラスタへの対応やSOAに も対応した次世代のジョブスケジューラを持ち、High Performance だけではなく、 High Productivity を実現します。 このセッションでは Windows HPC Server 2008 の概要をご紹介します。

  • 11:45-13:10 昼休み
  • 13:10-14:50 メンバ企業によるSCoreクラスタ導入事例・応用事例・今後の取り組み

    • 13:10-13:30 並列化による手術シミュレーションの高速化
      本郷 新(三菱プレシジョン株式会社)
      現在、我々は実用的な内視鏡下手術訓練シミュレータを開発している。 実用化には、臓器のような柔軟物の実時間での変形計算及びその可視化が重要な課題である。 処理の並列化を行い、実時間処理可能なモデルの大規模化を図った。

    • 13:30 - 13:50 クラスタ用ソフトウェアツール 発表資料
      堀 敦史 (Allinea Software)

    • 13:50-14:10 PCクラスタの動向とNECの取組み 発表資料
      竹内 義晴(日本電気株式会社)
      PCクラスタの最近の市場動向について考察します。どういった分野・ 業務でPCクラスタが使われているのか、また、今後の見通しはどうか。 その上で、PCクラスタを中心とした、NECとしての取組みについて 紹介させていただきます。

    • 14:10-14:30 日本HPのPCクラスタビジネスへの取り組み
      根本 雅樹(日本ヒューレット・パッカード株式会社)
      日本HPにおけるPCクラスタの位置付けと今後の取り組みをご紹介します。 PCクラスタビジネスにどのように貢献し、ビジネスを拡大していくかについてご説明します。

    • 14:30-14:50 富士通のPCクラスタを中心としたHPCへの取り組み
      久門 耕一(株式会社富士通研究所)
      富士通は、PCクラスタ向のPCサーバとして開発中の4コアOpteronを4つ 搭載し、ノード当り16コアのSMPとなるHX600を開発中ですが、この機種 を中心に富士通のPCクラスタシステムHPCへの取り組みについてご紹介 致します。

  • 14:50-15:20 休憩

  • 15:20-17:00 パネル討論: 「PCクラスタの壁は乗り越えられるか?」
    司会:石川 裕 (東京大学)
    パネリスト:
    清水 正明(株式会社日立製作所)
    久門 耕一(株式会社富士通研究所)
    松岡 浩司(日本電気株式会社)
    原田 浩(日本ヒューレット・パッカード株式会社)
    片桐 孝洋(東京大学)
    岩下 武史(京都大学)
    高橋 大介(筑波大学)
    概要:スパコンセンターが認識しているPCクラスタの壁(課題)とそれに ベンダーはどう対処できるか(ブレークスルーするか)について議論する。

  • 17:00- 懇親会 (会費 1000 円)


企業展示

2日間通して以下の企業会員による企業展示を併設しております。

12 月 13 日11:45 〜 17:30
12 月 14 日10:00 〜 15:20

  • 株式会社アックス
     アックスは,常にハイエンドな要求に応える技術を提供してい ます.1990年代より電子手帳ザウルス,オリンパス社のデジ カメに使用され,実績十分な組込み技術と,1980年代より UNIXサーバで培ったIT技術を,組込み用Linux 「axLinux」と「組込みBSD」として提供していま す.また,実時間指向の組込みOS 「XTAL」,携帯Linuxマシン向け組込みGUI環 境「式神」,小さなシステム開発で定評あるKEIL社 ARM純正ツールRealViewやHitex社の開発ツールを提供して います.
     展示ブースでは,クラスタ・ソフトウェア「SCore」を CentOSベースに実現し,スケジューラを独自に強化した 64bitクラスタLinux「axLinux雷神」を展示しています.

  • アルテアエンジニアリング株式会社

  • 住商情報システム株式会社

  • 日本電気株式会社

  • 日本ヒューレット・パッカード株式会社

  • 株式会社日立製作所
     2007年11月に発表した、コンパクト、高性能ラックマウント サーバHA8000/RSシリーズ(2機種)のハードウェア展示 を行います。
     また弊社のPCクラスタに対する取り組みである、高信頼化、大規 模システムの運用管理、高速ノード間ネットワーク、科学技術計算 サポートについての紹介を行います。

  • 富士通株式会社
    • HPC向けPC−CLUSTERの新ノードご紹介
      AMD社のOpteron8300シリーズ(Quad-Core)プロセッサを最大4CPU搭載可能な HPC向けPC-CLUSTERノードを参考展示致します。
    • Portalを活用した新しいHPCの利用
      Webブラウザから簡易かつ共通の操作性で各種計算サーバにJOB投入、システム 監視・管理等の様々な利用が可能となるツールをデモを交えてご紹介します。 PC上のファイル、サーバ上のデータの可視化、実行中プログラムのリアルタイム 可視化を簡易操作で可能とするツールをデモを交えてご紹介します。

  • 株式会社富士通九州システムエンジニアリング
    • Linux対応 Fortran& C Package
      Fortran ,C言語で記述された科学技術計算向けアプリケーションプログラムの 開発(翻訳、デバッグ、実行、チューニングなど)を強力に支援する統合的な 開発環境(32ビット、64ビット)をご提供致します。
      ただ今、64 V1へのアップグレードキャンペーン(〜2008年2月末)を実施中で す。64 V1へのアップグレードを適用される場合、ご来場者様へはアップグレー ドキャンペーン価格よりさらに安価な優待券をお渡し致します。ただし、直接 販売に限定させていただきます。また64 V1評価版CDをその場でご配付致します。